日本銀行による予想外の追加緩和 を受けて、外国為替市場関係者の間では円安が新たな段階に入ったとの 見方が出ている。

日銀はこの日、長期国債の買い入れを「保有残高が年間約80兆円に 相当するペース」と従来の約50兆円に相当するペースから増やし、リス ク資産の買い入れも拡充するなどの追加緩和を発表した。決定は5対4 の僅差だった。黒田東彦総裁は記者会見で、2%の物価安定目標の早期 実現を確かなものにするため追加緩和を決定したと説明した。

マッコーリー銀行のG10為替戦略担当シニアバイスプレジデント、 デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、日銀の追加緩和 は「かなり大きなゲームチェンジャーだ」とし、円のさらなる圧迫材料 になると予想。同銀の来年3月末のドル・円相場の予想である1ドル =114円を前倒しで付けてしまう可能性もあると語った。

追加緩和の決定を受け、31日の外為市場では円が全面安となってい る。対ドルでは日銀による発表前の109円台前半から、一時2008年1月 以来の水準となる111円65銭まで下落。前日終値比で2.2%安と日銀が量 的・質的緩和の導入を発表した昨年4月4日以来の大幅な下落率を記録 している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、「米国が量的緩和打ち切りを決めた同じ月に日銀が量的緩 和の拡充を決めたわけで、これは材料としてとても分かりやすい」と指 摘。「年内は110円台を確保できたらいいと思っていたが、112、113円 ぐらいまで上値が広がっていく可能性も十分出てきた」とし、「スピー ド違反を犯した場合は115円まで加速する可能性がある」と語った。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE