年金積立金管理運用独立行政法人( GPIF)は資産構成を大幅に変更する。全体の大半を占めていた国内 債券を大幅に引き下げる一方、日本株式と外貨建て資産は引き上げる方 針で、国内債の削減と外国株の増加幅は市場予想を上回った。

GPIFが31日に発表した資料によると、今回の構成比率は短期資 産を含まない。国内債の新たな目標値は35%と、短期資産を含めた従来 の60%から大きく引き下げた。一方、日本株を25%と従来の12%に比べ 倍近く引き上げたほか、外国債を11%から15%、外国株を12%から25% にそれぞれ引き上げた。

目標値からの乖離(かいり)許容幅も変更した。国内債は上下10% ずつと従来の8%ずつから拡大。国内株も同9%ずつと従来の同6%ず つから拡大した。外国資産に関しては、外国債が同4%ずつと従来の同 5%ずつから縮小した半面、外国株は同8%ずつと従来に比べ3ポイン ト拡大した。

GPIFの三谷隆博理事長は会見で、資産構成を見直した理由につ いて、デフレ脱却後の経済に対応だと説明。デフレから緩やかなインフ レへの移行が見えてきているとして、国債評価損への対応が最大の焦点 だったと語った。新資産構成への入れ替えには、特定の期限設けてない とし、市場動向を見ながら、悪影響を避けて進める考えを示した。発表 前の売買有無についてはコメントを控えた。

ブルームバーグ・ニュースが22日-28日に実施した短期資産を含め たGPIFの資産構成見直しの予測調査では、GPIFが国内債の目標 値を40%に下げる一方、国内株は24%、外債は13.5%、外株は15%に増 やすとの回答が中心だった。

「本当に驚いた」

GPIFの6月末の運用資産の構成割合は国内債が53.36%、日本 株が17.26%、外債は11.06%、外株は15.98%。GPIFが目安として いる短期資産を5%と仮定した場合の構成割合は国内債が51.91%と乖 離許容幅の下限を割り込み、国内株は16.79%、外債は10.76%、外株 は15.54%だった。

安倍晋三首相と日本銀行の黒田東彦総裁が経済活性化と2%インフ レを目指す中、GPIFは将来の金利上昇で評価損を被りかねない国内 債の削減と収益向上を求める圧力に直面。昨年6月には資産構成を2006 年の創立後、初めて変更した。政府の有識者会議は昨年11月、国内債偏 重の見直しやリスク資産の拡大を提言。安倍首相はかねてより、資産構 成の早期見直しを求めていた

この日の東京時間の金融市場では、GPIFの運用比率の変更に関 する一部報道や日銀の追加金融緩和を受けて揺れた。TOPIXと日経 平均株価はともに上昇率が昨年6月10日以来の大きさを記録。外国為替 市場では円が全面安。長期国債の先物は史上最高値を更新した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、 「約130兆円の4分の1を海外株に振り向けることは相当なインパクト がある」と述べた。三谷氏はGPIFの発表が日銀の金融政策発表と重 なったことについて、「本当に驚いた」と述べ、同日発表は全くの偶然 と説明した。

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