SECに届け出た企業情報、一部トレーダーは数秒早く入手

更新日時

米証券取引委員会(SEC)に企業 が提出する届け出文書の内容を、一部のトレーダーなどが外部業者に料 金を払って数秒早く入手していることが研究で明らかになった。

シカゴ大学とコロラド大学の研究者らが1万8000件近くの届け出に ついて調査したところ、届け出文書がSECの開示システムであるエド ガーに掲載される前に、外部業者が運営する別の電子システムによって サービス利用者に送信されていることが分かった。取締役や幹部の株式 保有の変動に関する「フォーム4」という文書の調査では、平均で約10 秒の時間差があった。

米株式市場における情報の伝達手段は高頻度トレーダーをめぐる議 論の焦点になっている。一部の高速トレーダーが他の投資家より取引で 優遇されているかどうかについて、ニューヨーク州のシュナイダーマン 司法長官は今年、調査を開始した。

今回の研究結果をまとめたジョナサンL・ロジャーズ、ダグラス J・スキナー、サラL・C・ゼックマンの3氏は「SECの情報配布プ ロセスが本当に全ての投資家に対して公平なものなのかという疑問が浮 かび上がる」と書いている。

業者に料金を支払っている投資家が一般の人よりも先に届け出文書 を入手したことに加え、届け出内容に関連する銘柄の取引状況は、その 情報に基づいて取引した市場参加者がいたことを示唆していると研究者 らは指摘。当該銘柄の価格と取引量はSECが文書を公開システムに掲 載する15-30秒前に変化しているという。

研究結果については米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報 じていた。ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ ピーはSECへの届け出を再配信する。ブルームバーグ・ニュースは届 け出の詳細についての報道で他のニュース会社と競合関係にある。

研究者らによると、NTTデータはこの研究の期間中に届け出の配 布を請け負っていた。同社の社員は直ちにコメントできないと述べた。

原題:Study Finds SEC Filing Distribution Faster for Subscribers (2)(抜粋)

--取材協力:Eduard Gismatullin.