東京株式相場は3営業日ぶりに大幅 反発。米国の景気指標改善や為替市場の円高一服、国内株式需給の改善 期待が重なり、自動車など輸出関連、情報・通信株を中心に東証1部33 業種は全て高い。値上がり銘柄数は1800を超え、過去最高だった。

TOPIXの終値は前週末比47.12ポイント(4%)高の1224.34、 日経平均株価は578円72銭(4%)高の1万5111円23銭。上昇率はとも に昨年6月以来の大きさ。

明治安田アセットマネジメントの小泉治執行役員は、「米国株が大 幅安となった原因は、唯一景気が良いと思っていた米国が欧州やエボラ 出血熱の影響で悪くなるかもしれないという懸念だった」と指摘。その 懸念を緩和させる材料として、「消費者マインド指数は大きかった。米 企業業績も悪くない」と言う。さらに、年金積立金管理運用独立行政法 人(GPIF)への期待も、日本株の下値不安を後退させたとみる。

17日発表の10月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マイ ンド指数は86.4(前月84.6)と、2007年7月以来の高水準となった。ブ ルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は84。9月の住宅着工 件数は年率換算で前月比6.3%増の102万戸と、エコノミスト予想の100 万戸を上回った。米企業決算では、モルガン・スタンレーの7-9月純 利益が前年同期のほぼ2倍に増えた。

また、欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は17日、ECBは数日 以内に資産購入を開始すると発言した。これに先立ちセントルイス連銀 のブラード総裁は16日、インフレ期待の低下に歯止めをかけるため、連 邦公開市場委員会(FOMC)は債券購入プログラムの終了の先送りを 検討すべきとの見解を表明している。

売り出尽くしの声も

政策発動期待も手伝い、17日の欧米株は大きく反発。日本時間20日 のシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種指 数先物も、基準価格に比べ終始上昇と堅調だった。GPIFがリスク性 資産を拡大するとの観測から逃避需要が後退し、きょうの為替市場では ドル・円が一時1ドル=107円30銭台と、前週末の東京株式市場の通常 取引終了時点106円21銭に対し円安方向に振れた。

東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は、「米国株はチャ ート上の下ひげの長さや出来高倍増で15日にセリング・クライマックス を迎え、ファンド決算など例年の時期的なことも考えると、売りはかな り出尽くした」と分析。日本株についても「配当利回りなどファンダメ ンタルズとテクニカルの両面から下げ過ぎ」だとし、底入れした可能性 が十分あるとみる。

GPIF改革の報道をめぐっては、香港のバンテージ・キャピタ ル・マーケットのエクイティ・デリバティブ・ヘッド、スチュアート・ ビーヴィス氏は「新たな日本株の運用比率をめぐり、正式発表までは投 機的な動きが予想される」としつつ、「報道などで20-30%という印象 を持っていたが、もし25%ならポジティブな数字」と話していた。

GPIFは国内株式での運用比率の目安を現在の12%から20%台半 ばへ引き上げる方向で調整に入った、と18日付の日本経済新聞が報道。 外国債券と外国株式の比率を合計23%から30%程度まで高める一方、国 内債券は60%から40%台に下げる方向という。今月下旬にも運用委員会 で決めるなどとしている。

東証33業種の上昇率上位は情報・通信、機械、輸送用機器、建設、 電機、精密機器、医薬品、陸運、サービスなど。東証1部の売買代金上 位ではソフトバンク、トヨタ自動車、リクルートホールディングス、み ずほフィナンシャルグループ、ファナック、マツダ、富士重工業、 JT、富士通、日立製作所、アステラス製薬、オリックスが高い。

東証1部の売買高は23億7962万株、売買代金は2兆3187億円。値上 がり銘柄数は1802、値下がりは21と全体の98%が上げ、東証によると、 値上がり銘柄数は過去最高だった。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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