FRB、強いドル受け利上げに一段と辛抱も-成長への影響注視

ドル相場が2008年以来の大幅上昇と なっていることで、これ以上のドル高は経済成長を抑制し、インフレ率 を過度の低水準にとどめかねないとして、米連邦準備制度理事会 (FRB)当局者の一部が懸念を強めている。

米金融当局者が06年以来となる利上げ時期を議論する中、アトラン タ連銀のロックハート、ニューヨーク連銀のダドリー、シカゴ連銀のエ バンスの各総裁はこの一週間に相次ぎ、ドル相場を注視していることを 明らかにした。ドル高は輸出に歯止めをかけて成長を抑制する一方、輸 入物価の押し下げにつながる傾向がある。

エバンス総裁は29日、シカゴでの講演後に記者団に対し、ドル高に ついて「純輸出と国内総生産(GDP)の伸びといった面で経済にどう 影響し、インフレ動向にどのような意味合いがあるか検討することにな る」と語った。

エバンス、ダドリー両総裁らは、連邦準備制度には利上げに踏み切 るまでにまだ辛抱強く待つ余裕があり、長く待ちすぎるよりも拙速な引 き締めの方が米経済に一段と大きなリスクとなると主張している。

RBSセキュリティーズの米国担当エコノミスト、ガイ・バーガー 氏は「彼らは労働市場の回復の持続可能性に加え、インフレ率が彼らの の目標を依然下回って推移し、ドルが双方に影響を及ぼす事態を憂慮し ている」と説明した。

FRBがインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)総合 価格指数は、8月が前年同月比1.5%の上昇にとどまった。同指数の上 昇率は12年3月以降、米金融当局が目標とする2%を下回っている。

米経済への信任投票

ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミス ト、ジョゼフ・ラボーニャ氏はFRBに関し、「ドル高になればインフ レは抑制されるため、彼らはそれを注目している」とした上で、これま でのドル高進行が金融政策に影響を及ぼす公算は小さいとの見方を示し た。

ラボーニャ氏はその一方で、「仮にドル高が続けば、引き締め時期 に影響するかもしれない」と付け加えた。

他方、来年1-3月(第1四半期)末の利上げを望むとするダラス 連銀のフィッシャー総裁は29日、ブルームバーグラジオとのインタビュ ーで、ドルの強さは米経済への「信任投票」だと指摘している。

金融当局者のこうした見解の相違をめぐってRBSセキュリティー ズのバーガー氏は、「誰もが自分の主張に都合の良い点に着目してい る」と解説した。

原題:Strong Dollar Bolsters Fed Patience on Rates Amid Growth Impact(抜粋)

--取材協力:Jeff Kearns、Danielle Trubow、Kathleen Hays.

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