国際通貨基金(IMF)は鈍い世界 経済成長の押し上げに向け、各国にインフラ投資拡大を呼び掛けた。

IMFは30日に世界経済見通し(WEO)の分析部分の章を公表。 その中で、金融政策が既に緩和的であることを考慮すれば、道路や橋な どのインフラ投資の拡大が「成長支援で利用可能な数少ない残された政 策手段の1つ」だとし、「どの経済においても中期的な生産の増大を助 けるだろう」との見方を示した。

世界経済がIMF予測を下回る伸びにとどまる中で、政策当局者ら は成長加速の道筋を探っている。IMFは10月10-12日にワシントンで 開く年次総会に先立ち、同7日に最新のWEOを発表する。

IMFはまた、多くの先進国に依然「かなりの経済的たるみ」が見 られると分析。ユーロ圏のインフレ率は依然低過ぎると指摘した。新興 市場国の経済成長は金融危機に先立つ10年間の水準を下回っている。

このように予想を下回る実績を根拠に、世界的に需要の「低迷が長 期化する」恐れがあると、サマーズ元米財務長官らが唱える「長期停 滞」論を引用する形でIMFは説明した。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁は今月オーストラリア のケアンズで開いた会議の共同声明で、「ばらつきがある」成長回復へ の懸念を表明した上で、需要拡大と成長加速にはインフラ投資が極めて 重要になると表明した。

インフラ支出が効果

IMFは過去のデータを調べ、シミュレーションを用いてインフラ 支出の効果を分析した。それによると、経済にたるみがあり、金融政策 が緩和的であるなら支出増加が需要を大きく押し上げるということが分 かった。この場合、投資は政府債務の対国内総生産(GDP)比率を低 下させる可能性があるとしている。

またIMFはブラジルやインド、ロシア、南アフリカ共和国などの 新興市場国では「インフラ投資を増やせないことが中期的な懸念材料で あるばかりか、短期的な成長にも制約となると指摘されている」と説明 した。

さらに新興市場国や低所得国がインフラ投資をより効率的に行わな い限り、これら諸国の生産の伸びは多くの場合、限定的となる恐れがあ るとIMFは分析。プロジェクトの評価を改善するなどの改革が必要に なるかもしれないとしている。

原題:IMF Urges Infrastructure Spending to Boost Tepid Global Recovery(抜粋)

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