イスラム国に参加する東南アジア人-過激思想がもたらす脅威

アーマド・サルマン・アブドゥル・ ラヒムさんは勤務していたマレーシアの建設会社を辞め、シリアでジハ ード(聖戦)に加わることを選んだと語る。約1400年前にさかのぼる理 由があり、それはイスラム教の預言者ムハンマドが望んでいるからだと 説明した。

アーマドさんによると、ムハンマドはかつて仲間に対し、現代のシ リアを構成する地域で戦うよう助言し、アッラー(神)が「ムジャーヒ ディーン(戦士)の軍隊」をこの地域に送り込むと予言した。アーマド さんは、アサド政権下で拷問・殺害されたイスラム教徒の復讐(ふくし ゅう)のためにシリアにいると話す。

「われわれはテロリストと見なされているが、私は気にしない。こ れは私と神の問題だからだ。時代の終わりを告げる戦いの多くがシリア 周辺で起こるだろう。それが私がここにいる理由の1つだ」。英国で教 育を受けたアーマドさん(38)は、シリアのハマー地方クファルゼーテ 近郊からフェイスブックのメッセージでこう語る。

世界の国々がイスラム過激派組織「イスラム国」の脅威にさらさ れ、シリアのイスラム国の拠点には米国などが空爆を実施している。そ んな中、中東で戦闘に参加する東南アジア人が幾つかの点でリスクをも たらすと、安全保障専門のアナリストらは指摘する。これらの人々は母 国に戻り、東南アジア諸国の武装集団を活気付ける可能性がある。この 地域には過激主義の歴史があり、大規模なテロ攻撃も発生している。イ スラム国の巧みな宣伝ビデオを利用し、母国の友人や家族にソーシャル メディアを通じて急進的な思想を吹き込むかもしれない。

シンガポールのS・ラジャラトナム国際関係学院でテロと急進化を 研究するアソシエートフェロー、ナブハト・ヌラニヤ氏は、「イスラム 国それ自体よりもむしろ、東南アジア人の戦士たちがシリアとイラクか ら持ち帰る過激な軍事思想や技術、戦場経験、国際的ネットワークがこ の地域に危険をもたらす恐れがある」と指摘した。

ヌラニヤ氏は「彼らのうち少数でも帰国すれば、地元の既存グルー プから非常に尊敬される。任務を引き続き遂行しようとする場合、参加 者を募集し、支援を得るのに何の問題もないだろう」と話す。

各国政府と警察当局によれば、イスラム国に参加して戦っている東 南アジア人は数百人と推計されている。この中には1990年代に活動して いたマレーシアのポップグループのドラマー、アケル・ザイナル氏も含 まれている。同氏はシリアでフェイスブックのフォロワーの要望を受け 付け、迫撃砲にフォロワーたちの名前を書き込んでいる。名前のそばに は「イスラム革命に参加するマレーシア市民たち」の言葉が添えられて いるという。

原題:Southeast Asian Militants Chase Syrian Jihad Citing Prophet (2)(抜粋)

--取材協力:Sharon Chen、Norman P. Aquino、Harry Suhartono、Chan Tien Hin、Yoga Rusmana、Liau Y-Sing、Neil Chatterjee、Manirajan Ramasamy、Andrea Tan.

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