グロース氏、知り尽くしたポジションにらみに来週運用開始

試合の最中にコーチが他チームに移 ってしまった。米パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)にしてみれば、ビル・グロース氏が来週からジャナス・ キャピタルで運用を開始するのはそんな感じだろう。

債券の王様として知られるグロース氏は29日にジャナス入りし、10 月6日から運用を開始する。同氏は米国債ばかりでなく、例えばイタリ ア債やスペイン債など流動性のそれほど高くない市場についても含め PIMCOのポジションを知り尽くしている。もしPIMCOがこうし たポジションのいずれかを解消しなければならなくなればそのとき、グ ロース氏は待ち構えているだろうと同社の事業を知る関係者が28日に語 った。

グロース氏がPIMCOを去ったやり方は通常の習慣とかけ離れて いたので、PIMCOに対し害意があるのではないかという見方が PIMCO内では出ていると、関係者が匿名を条件に語った。

第1に、ポートフォリオマネージャーが退社する際にはそのマネジ ャーが運用していたファンドへの投資家を保護するため一定の移行期間 が設けられるもので、これは数カ月でないまでも少なくとも数週間はあ るのが普通だ。

第2に、移籍の発表は通常、前の会社と新会社の双方から同時にあ るものだがグロース氏の場合はそうでなかった。第3に、通常は一定の 期間、競争相手にはならないという合意があるものだという。

ミスターPIMCO

グロース氏がPIMCOへの害意があるという考え方は、同氏が PIMCOのライバルであるダブルラインに移籍を打診したという報道 が一つの根拠になると関係者は述べた。

ミスターPIMCOと言ってよいグロース氏と同社の間に雇用契約 があったかどうか、あったとしたらなぜ一定の期間競合を禁止する条項 がなかったのかについて、PIMCOから回答は得られなかった。

PIMCOの「トータル・リターン・ファンド」でどんな変更が行 われるか、それに連動した動きがジャナスで見られるかどうかは注視す るに値する。グロース氏がジャナスを去るときに何が起こるかを見守る のも興味深い。

原題:Gross Trading Against Gross Seen Starting Monday: Opening Line(抜粋)

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