債券先物は反発、香港情勢不安受けた米債高・株安で-2年債入札順調

債券先物相場は小幅反発。香港の民 主化デモで地政学的リスクが高まり、前日の米国債相場が上昇し、内外 株式相場が下落したことを受けて買いが優勢だった。きょう実施の2年 債入札が順調な結果となったことも安心感につながった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比7銭高の145円90銭 で開始。午後の取引開始後には145円94銭まで上昇した。しかし、徐々 に上値が重くなり、一時は4銭安の145円79銭に下げる場面もあった。 取引終了にかけて持ち直し、終値は1銭高の145円84銭だった。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低 い0.515%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入ると0.52%を付け た。5年物の120回債利回りは0.5bp低い0.17%。30年物の44回債利回り は一時1bp低い1.60%と新発債として2月14日以来の水準まで下げた。

UBS証券の井川雄亮債券ストラテジストは、「米国債高、円高、 株安と外部環境にサポートされて債券相場は堅調」だと説明した。2年 債入札については「きのう短中期ゾーン中心に売られて金利が上昇し、 魅力的な水準になったため、市場予想よりも良い結果。応札倍率も高か った」と分析した。

財務省が実施した表面利率0.1%の2年利付国債(345回債)の入札 結果によると、最低落札価格は100円04銭5厘と市場予想を5厘上回っ た。最低と平均落札価格の差(テール)は6厘と前回の5厘から若干拡 大。投資家需要を示す応札倍率は6.44倍と3月以来の高水準となった。

香港では民主化を求める数万人もの街頭デモが続いている。自由で 開かれた選挙の実施や梁振英行政長官の辞任を求める学生リーダーら は、要求実現の期限を10月1日に設定した。前日の米国市場ではこうし た香港情勢をめぐる不安を背景に債券高、株安となった。30日の東京株 式相場は反落し、TOPIXは0.8%安の1326.29で引けた。

メリルリンチ日本証券の大﨑秀一債券ストラテジストは、中間期末 日でやや取引が薄い中、外部環境の追い風を受けて相場はしっかりで始 まったと指摘。「前日には米10年債利回りが2.5%割れ、香港で民主化 を求めるデモが拡大、欧米の株安が国内株に波及していることも債券の サポート」と述べた。

経済産業省が朝方発表した8月の鉱工業生産指数は前月比1.5%低 下となり、ブルームバーグ・ニュースが集計した市場予想中央値の 同0.2%上昇を下回った。製造工業生産予測指数は9月が前月比6%上 昇、10月は0.2%低下となっている。

メリルリンチ日本証の大﨑氏は、「8月の鉱工業生産指数は市場予 想に反して前月比マイナスとなった。7-9月期も景気回復が鈍いとの 見方が広がることは債券相場にとって好材料」と話した。

--取材協力:赤間信行.

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