NY外為:ドルが新興国通貨に対して上昇-変動性高まる

ニューヨーク外国為替市場ではドル が新興国通貨に対して半年ぶり高値に上昇。米経済回復の兆候が、金融 当局による利上げの正当性を裏付けているとの見方が背景にある。

新興国通貨は3営業日続落し、ボラティリティ(変動性)は高まっ た。香港での民主化デモを受けてリスク選好が後退した。ブラジル・レ アルは約6年ぶり安値。大統領選挙に関する世論調査で、ルセフ大統領 の野党候補マリナ・シルバ氏に対するリードが拡大したことを受けた。 ドルはこのままいけば月間では2012年以降で最大の上げとなる。ニュー ジーランド(NZ)ドルは13カ月ぶり安値を付けた。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ為替ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は「香港情勢が市場の関心を集めたのは確実だ。リス クオフの地合いをもたらす一因となった」とした上で、「より広範に見 るとドル高が、量的緩和環境で好調に推移してきた資源国通貨の一部に リスクとなり始めている」と加えた。

ニューヨーク時間午後5時現在、MSCI新興市場通貨指数は前週 末比0.5%安の1633.76と、3月27日以来の低水準。ブラジル・レアルは 対ドルで1.1%安の1ドル=2.4477レアル。一時2.4781レアルと、2008 年12月以来の安値となった。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%高の1068.85。終値ベ ースでは10年6月以来の高水準となった。月初からは3.8%高と、この ままいけば12年5月以来の大幅な上昇率となる。

ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.2685ドル。一 時1.2664ドルと、12年11月以来の安値に下げた。ドルは対円で0.2%高 の1ドル=109円50銭。一時109円75銭と、08年8月以来のドル高・円安 水準となった。ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=138円90銭。

経済と金融当局

米経済が回復する中、金融当局は利上げ開始の時期をめぐり検討を 続けている。一方で欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は景気押し上げ に向けて緩和策を継続している。

この日の米商務省の発表によると、8月の個人消費支出(PCE) は前月比0.5%増加した。26日に発表された4-6月(第2四半期)の 米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比4.6%増と、11年第4四半 期以来の高い伸びとなった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のミヒル・ウォラー副最高投資責任者(CIO)はPIMCOのウェブ サイトで、中央銀行は「為替と金利の市場で機会を生み出している」と 指摘。「金融政策の乖離(かいり)はドルの強さが続くことを意味する 可能性が高い。特にユーロと円に対してそう言える」と続けた。ウォラ ー氏は、マーク・キーセル、スコット・マザー両氏とともにPIMCO トータル・リターン・ファンドの運用を引き継いだ。

ボラティリティ高まる

レアルは7-9月(第3四半期)に9.5%安と、11年第3四半期以 降で最大の下げとなっている。経済が混乱する中、ルセフ大統領は再選 を目指している。

JPモルガン・チェースのグローバルFXボラティリティ指数は一 時7.95%と日中ベースで3月4日以来の高水準となった。年初来の平均 は6.89%。

NZドルは一時2%安の1米ドル=0.7709NZドルと、13年8月以 来の安値。NZ準備銀行が8月の自国通貨の売却額が7年ぶりの高水準 だったことを明らかにした。

原題:Dollar Gains Versus Emerging-Market Currencies; Volatility Rises(抜粋)

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