御嶽山、硫化水素で捜索中断-ニッセイAMや郵政社員連絡取れず

長野・岐阜両県にまたがる御嶽山 (おんたけさん、標高3067メートル)の噴火を受けた、山頂や登山道で の自衛隊と警察・消防による心肺停止の登山者の捜索は29日午後、いっ たん打ち切られた。現場で有毒ガスが発生している。

御嶽山は27日午前11時52分ごろ火砕流を伴い7年ぶりに噴火した。 これまでの捜索で死亡10人が確認され、心肺停止は26人でうち2人がふ もとに搬送された。負傷者は69人。この日は午前6時過ぎから救助活動 を再開したが、消防庁災害対策本部の塩谷壮史氏によると現場で硫化水 素を検知したことで捜索隊は退避した。

社員9人が御嶽山に登った損保ジャパン日本興亜は、うち6人と連 絡が取れない。ニッセイアセットマネジメントも登山した社員男女3人 の連絡が27日から取れていない。日本郵政グループでも噴火により女性 社員1人の安否が不明になっている。

菅義偉官房長官は午前の記者会見で、死者のご冥福を祈るとともに 被災者に心からお見舞いを申し上げるとした上で、大きな噴石や火砕流 への警戒を呼び掛けた。政府は官邸対策室に非常災害対策本部と現地対 策本部を設置済みで「災害応急対策に全力を挙げて取り組んでいく」と 述べた。

キャロライン・ケネディ駐日米大使の声明として、御嶽山噴火につ いて米国大使館も「職員一同は、亡くなられた方々のご冥福を祈り、被 害に遭われた方々のご家族とご友人に心からお見舞い申し上げます」な どとのコメントを発表した。

死者4人

長野県警広報によると、亡くなったのは名古屋市の浅井佑介さん (23)、岐阜市の三浦勇さん(45)、長野県塩尻市の林卓司さん (54)、同松本市の横田和正さん(61)の4人。

1979年に有史以来初めて噴火した御嶽山は、91年と2007年にも小規 模な噴火を起こした。79年と同程度だった今回の噴火では、噴煙の高さ が火口から7000メートルに達したと気象庁は推定している。大きな噴石 が火口から1キロの範囲に飛散、噴出した火山灰には新鮮なマグマに由 来する物質は確認されず、今回は水蒸気噴火だったとしている。

長野県危機管理部のサイトによると、御嶽山の噴火警戒レベルは現 在1(平常)から3(入山規制)に引き上げられている。警戒レベルは 4(避難準備)で、最高が5(避難)。

日本航空と全日本空輸はこの日の運航について平常通りとしている が、日航は「噴煙の状況によっては影響が発生する可能性がある」、全 日空は「新たな噴火が観測された場合は、運航への影響が発生する可能 性がある」とそれぞれサイトで説明している。

--取材協力:鷺池秀樹、高橋舞子、占部絵美、松田潔社、日向貴彦、Go Onomitsu.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE