【クレジット市場】メガ3行が主導、日本勢ドル建て債15年ぶり高水準

日本の発行体によるドル建て社債の 起債が15年ぶりの高水準となっている。三菱UFJフィナンシャル・グ ループをはじめ3メガバンクが全体の半分以上を占め、サントリー・ホ ールディングスなど国際展開を強化する企業の起債も活発だ。

ブルームバーグ・データによると日本勢の1月から9月25日までの 起債額は460億ドル(約5兆円)とデータでさかのぼれる1999年以降最 大。三菱UFJ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシ ャルグループ(持ち株会社または傘下の銀行)合計で238億ドルと全体 の51%相当となった。内訳は三菱UFJが86.2億ドル、三井住友F が80.7億ドル、みずほFGは71.5億ドル。

少子高齢化や景気回復の遅れを背景に、国内の銀行や一部の事業会 社は海外事業の拡大を進めている。こうした企業は現地企業の買収など を通じて国際化を進めており、それに応じて米ドルなど外貨の需要が増 えてきている。

大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、「メガバンク が海外での仕事を増やしており、外貨建て調達ニーズが増えている」と 指摘。また実際に事業をやっているマーケットで取りにいく傾向が出て きたと述べ、サントリーなど日本企業の海外での合併・買収(M&A) 増加なども発行活発化の背景にあると分析している。

事業の海外展開

みずほFG広報担当の山田順一氏はドル建て債の発行について「貸 出金など海外資産の増加や規制動向に配慮しつつ、市場環境などを考慮 して増やした」と述べた。三菱東京UFJ銀行広報担当の奥村祐司氏は 「貸出金など外貨のバランスシートが拡大しており、それに合わせてい る」としている。

三井住友FG広報の氷室祐一郎氏は、ドル債増加について「ALM (資産・負債の総合管理)の観点から海外向けの貸出金の拡大に対応し て調達の安定化を図るためだ」とし、今後も「マーケットの状況に応じ て安定的な外貨の流動性の確保を図っていく方針」と説明した。

事業会社では、サントリーが24日に合計10億のドル債発行を発表。 5月に米ビーム社を160億ドルで買収した際のつなぎ融資8000億円の一 部借り換えに充当する。つなぎ融資のうち7000億円は劣後ローンなどの 長期負債に借り換えられており、同社広報部の小澤葉純氏によると、今 回の社債発行で「借り換えは完了予定」という。

投資家の需要

投資助言会社ジャパン・クレジット・アドバイザリー(JCA)の 大橋英敏社長は、日本企業の円建て社債はスプレッドが小さく投資対象 になりにくいとした上で、「外債はスプレッドも取れる上、円安を意識 した投資家も多い」との見方を示した。

運用会社アバディーン・アセット・マネジメントのクレジット責任 者、オリバー・ボーリンド氏は、銀行が「調達市場を多様化するために 追加の利回りを払っている」とし、メガバンクの短期外債に興味がある と述べた。

メガバンク3行のドル債発行の幹事を務めたバンクオブアメリカ・ メリルリンチ債券資本市場部の鈴木良太ディレクターは、各行が投資家 訪問などを通じたクレジットストーリーの周知活動を実施した結果、 「邦銀ドル建て債の投資家層は米国のみならずアジア・欧州などグロー バルに拡大し、幅広い投資家からの需要が確認されている」と話した。

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