【今日のチャート】ユーロ安も急落見込まず、野村は来年央1.2ドル予想

投機勢がユーロの先安観を強める中 で、通貨オプション取引の指標は弱気への偏りが限定的となっている。 野村証券によると、欧州債務危機時と違い、市場参加者が欧米の金利差 拡大による緩やかなユーロ安を予想していることが背景にある。

今日のチャートは、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告 で、ヘッジファンドなど大口投機家のユーロの売り越しが約2年ぶりの 水準まで膨らむ一方、ユーロ・ドルの3カ月物リスク・リバーサル (RR)は当時の半分程度の水準にとどまっていることを示した。RR はオプションの需要の傾きを示し、ユーロを売る権利のプットオプショ ンの需要が増えるとマイナス幅が拡大する。

野村証金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、 「かつてはユーロ分裂やソブリン危機といったテーマの中で、ユーロの 急落リスクを意識してオプションなどのポジションを作っていたが、今 回はあくまで米国の金利が上がっていく中での金利差拡大がテーマなの で、ユーロ安は見込んでいるが急落という予想にはなっていない」と説 明。「プットスプレッドなど、『これ以上は下がらないだろう』という ポジションの取り方になっているので、RR上はインパクトが出にくく なる」と指摘する。

一定程度のユーロ安を予想する場合、投資家はユーロ・プットを買 うと同時に、それより行使価格の低いユーロ・プットを売ることで、オ プション料を抑えることができる。こうした戦略をベアプットスプレッ ドと呼ぶ。

CFTCによると、ユーロの売り越し幅は今月2日時点で16万1423 枚と、欧州債務不安が高まっていた2012年7月以来の規模に拡大した。 当時の3カ月物RRはマイナス幅が一時2%に達しており、ユーロは同 月に10年6月以来の安値となる1ユーロ=1.2043ドルまで下落した。 RRは今月9日にマイナス0.898%と7カ月ぶりの水準まで低下した が、足元ではマイナス0.7%程度に戻している。

金融緩和を強化している欧州と出口に向かう米国の政策の違いを背 景に、ユーロは6月末以降、対ドルで7%超下落。29日には一時1.2667 ドルと12年11月以来の安値を付けている。野村証はユーロは来年6月末 に1.20ドルまで下落すると予想。池田氏は、「金利差だけで十分行って しまうと思う」と語る。

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