ドル・円は109円台前半、欧米の重要イベント控えドル上値重い

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=109円台前半で推移。市場が注目する欧米のイベントを週 内に控えて、ドルの上値は重かった。

午後3時29分現在のドル・円相場は109円24銭付近。ドルは109円51 銭を上値に109円19銭まで水準を切り下げる場面があった。前日の取引 では109円75銭と2008年8月以来の水準までドル高・円安が進んだ後、 海外市場で一時109円13銭を付けた。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、前日は久々に 「アベノミクスの円売り」という展開になったが、110円台を目前にド ルの上値が抑えられ、欧州時間からは調整のドル売りに押される格好に なったと説明。110円台の大台が「近くて遠いような状況」だと言い、 同水準を突破するのは週後半に控えている欧米のイベントの内容次第と した。

朝方に発表された8月の国内経済指標は、失業率が3.5%と、前月 の3.8%を下回った。全世帯家計調査では2人以上世帯の実質消費支出 が前年同月比4.7%減と、前月の5.9%減から改善した。一方、鉱工業生 産指数は前月比1.5%低下と、前月の0.4%上昇からマイナスに転じた。

鈴木氏は、日本の指標について、「雇用や消費は強かった一方で、 鉱工業生産が弱い」とし、「プラスマイナスゼロ」だったと言い、結果 を受けた為替相場は「パッとしない動きになっている」と話した。

欧米材料を見極め

この日は欧州で8月の失業率と9月の消費者物価指数(CPI)、 米国では7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数や9月のシカゴ製 造業景況指数などが発表される。今週は10月2日に欧州中央銀行(EC B)の金融政策決定会合、3日には米雇用統計の発表が控えている。

ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジス ト(ロンドン在勤)は、「今週出てくる景気指標は米国の景気の底堅さ と欧州と日本の弱さをまた強調する内容に恐らくなるのだろうなと思う 」と指摘。その上で、「方向としてのドル高・ユーロ安、ドル高・円安 というのは変わらない」とみる。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、ブルームバーグラジオのインタ ビューで、経済が予想通りに進展すれば「来年第1四半期末に行動を起 こすことが望ましい」とし、利上げは「段階的」に実施すべきで、「

0.25ポイントの幅で開始する」ことも可能との見解を示した。

後藤氏は、「基本的にドル高は来年に向けて続くと思う」としなが らも、「10-12月に向けて連邦公開市場委員会(FOMC)でもう一段 明確に来年前半の利上げという話が出てくると、米国株が調整するリス クがある」と予想。ユーロや円に対して進んだドル高が新興国通貨に移 行する可能性もあるとみる。

シカゴ連銀のエバンス総裁は29日にシカゴで講演し、「労働市場は 完全回復から程遠い」と述べ、利上げ開始に向けて辛抱強く待つべきだ との姿勢をあらためて示した。講演後には記者団に対し、「金融政策が 適切で経済見通しが極めて良好な中で、インフレは緩やかに目標値に近 づきつつあるにすぎない」と述べ、「そうした意味で適切な政策は2016 年第1四半期の利上げだ」と続けた。

--取材協力:大塚美佳.

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