三木谷氏の推定23億円新居、時価上昇-アベノミクスで富裕層恩恵

東京・渋谷区の高級住宅街の広大な 敷地に工事用防壁で覆われた建設中の屋敷。その主は日本人4位の資産 家で楽天の会長兼社長、三木谷浩史氏だ。土地・建物費は推定約23億 円。地価は3年前の取得時に比べ7割近く上昇しているとみられてお り、アベノミクス効果が富裕層の資産価値を大きく押し上げている。

用地を取得した2011年の地価公示によると、このエリアは坪当たり 約475万円。登記簿上の宅地面積は880平方メートル(約270坪)あり、 土地代は約13億円とみられる。また、事情に詳しい関係者によると、坪 当たり建設費は約250万円で、総工費は約10億円と推計される。

リスト・サザビーズ・インターナショナル・リアルティの高野友紀 子マネージャーによると、都心の高級住宅の単価は昨年10月から20%上 昇し、07年以来の水準。三木谷邸の近くには麻生太郎財務相も居住する など名家や資産家が多く、高野氏は「代々からなる富裕者層が住むステ ータスエリアで、利便性が良く、代官山や青葉台と並ぶ高級住宅地。売 買物件自体が少ない」と話し、希少性が高いという。

保有資産などを基に算出したブルームバーグ・ビリオネアーズラン クによると、三木谷氏の資産は自社株上場もあり、25日時点で67億ドル (約7300億円)。資産の大半を占める株の時価は、安倍政権発足時の12 年末比で79%増えた。日本人としてはファーストリテイリングの柳井正 会長兼社長やソフトバンクの孫正義社長、キーエンスの滝崎武光会長に 次ぐ4位。三木谷、孫、滝崎の3氏はいずれも新興企業の創業者だ。

含み益

三木谷氏は97年に楽天を創業し、00年にジャスダック、13年に東証 1部に上場させた。三木谷氏とその親族らによる同社株の保有比率 は40%。00年上場時の時価総額は公募価格ベースで4072億円。現在は29 日の終値を基にすると、1兆7070億円。4倍以上に膨れ上がった計算 だ。

センチュリー21スカイリアルティのシニアパートナー、武田正徳氏 によると、三木谷氏の新居近辺の坪単価は今年に入ってから20%ほど上 昇しており、現在800万円以上するとの見方を示した。購入時の11年か ら約68%上昇した計算だ。

家屋は丹下健三事務所出身で、06年に日本建築家協会優秀建築選な どを受賞した城戸崎博孝氏が設計。同氏は、庇下のスペースを利用しフ レーミングを施すことで、家の中から庭園を眺めた時、「四季折々の景 色を美術館の画のように楽しむことができる」と説明。「ワインのよう に時を経て熟成していくように建物がバリューを増す」と評した。

楽天の広報担当ディーン・カークネス氏は、三木谷氏の新居につい てコメントを避けた。

アベノミクス

安倍政権下の日銀の異次元金融緩和で株価や不動産価格が上昇する 中、富裕層は資産価値だけでなく、人数自体も増えている。米キャップ ジェミニとRBCウェルス・マネジメントによるワールド・ウェルス・ リポートによると、13年時点で100万ドル(約1億800万円)以上の投資 可能資産を保有する日本人は232万人と、前年比22%増加した。

野村総合研究所の宮本弘之上席コンサルタントは、金融資産1億円 超の富裕層が「アベノミクスの影響で大幅に増えている」と話す。株価 にとどまらず、都内の不動産価格も上昇し始めており、「今後も不動産 価格と連動し、保有資産額は上昇するだろう」とみている。

こうした中、「億ション」と呼ばれる高級マンションの売れ行きも 好調だ。6月に開業した都内2番目の高さの超高層ビル、虎ノ門ヒルズ (52階建て)は、140戸程度の分譲・賃貸物件があり、入居する高級ホ テル「アンダーズ東京」のスパやルームサービスなども利用できる。

開発した森ビルの安島幸世・分譲営業部長によると、約半分を占め る分譲タイプには昨年夏ごろから問い合わせが入った。100平方メート ル以上で2LDKタイプのものが多く、わずか半年間で8月末には完売 した。購入したのは会社経営者ら高額所得者のほか、外国人投資家が3 割を占めたという。

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