御嶽山噴火で心肺停止31人、予知連は再発警戒-「死を覚悟」と下山者

長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の 噴火から一夜が明けた28日、長野県警などの捜索隊は山頂付近で倒れて いる登山者らを発見、31人の心肺停止を確認した。長野県危機管理部の 担当者が午後8時半時点の情報として明らかにした。一方、自力で下山 した人々は「死の恐怖」を口にした。

県の担当者によると、県警はこの31人のうち4人を登山道を使っ て、長野県側の麓に搬送した。同日午後8時半現在での負傷者数は30人 で、行方不明者数は確認中だという。

自衛隊や県警などはこの日、長野県側から計520人態勢で救助活動 を再開。遭難者をヘリなどで救出し、午後2時ごろ山頂での捜索を終え た。また、岐阜県側からの救出活動では、岐阜県警などは9合目の五の 池小屋に避難していた重傷者2人をヘリで高山市内の病院に搬送した。 山小屋で一夜を過ごした23人は午前10時前に自力で下山したという。災 害警戒本部の大島愛彦氏が明らかにした。

NHKによると、火山噴火予知連絡会は、今回の噴火の原因につい て、火砕流を伴う「水蒸気噴火」の可能性が高いとし、「今後も同じ程 度の噴火が発生する可能性がある」との見解をまとめた。水蒸気噴火は マグマ熱で地下水が熱せられ、急激に水蒸気が発生するもの。

日本航空ANAホールディングスは同日、平常通りの運航を予定 していると発表した。

「死を覚悟」

NHKなどの映像によると、御嶽山は複数の火口から噴煙を上げて おり、山の表面は白っぽい火山灰で覆われている。

テレビ朝日によると、下山した女性は、「今までありがとうと電話 したり、メールしたりする人もいた」と振り返り、自身も「死を覚悟し た」と話した。男性は「ものすごく臭いがきつかった」と述べ、山頂の 山小屋の支配人は「アルバイト3人と会うことができ、元気な顔が見ら れたのでほっとしている」と語ったという。

NHKによると、警察からの連絡で息子が御嶽山に上っていたこと を知った女性は、「携帯電話がつながらず、怪我だけで済めばいいが」 と不安気に語った。また、頂上付近で被災し、近くの社務所に逃げ込ん だ女性は、「建物の外には3人ほど埋まっていたが、粉じんが降り続い ていてどうすることもできなかった」と話したと、伝えている。

水蒸気噴火

気象庁によると、御嶽山は27日午前11時50分ごろに噴火、南側斜面 を噴煙が流れ下った。同日昼には5段階ある噴火警戒レベルを従来の1 (平常)から3(入山規制)に引き上げ、火口から4キロメートル程度 の範囲で噴火に伴う大きな噴石の飛散などが発生する恐れがあるとして いる。

ボルケーノ・ディスカバリーによると、御嶽山が初めて噴火したの は1979年で、150キロ離れた群馬県前橋市でも火山灰が降った。

NHKによると、今回の噴火で火山灰の成分を専門家が分析したと ころ、新たなマグマが含まれていることを示す成分は見つからなかっ た。火山噴火予知連は、マグマが直接噴出する「マグマ噴火」ではな く、「水蒸気噴火」の可能性が高いとの結論に至ったという。

予知連の藤井敏嗣会長は28日午後8時前、記者会見し、「マグマ噴 火と違って、水蒸気噴火を予知することは本来、非常に難しい。突発的 に起こることが多く、事前に明確に把握することは困難で現在の学問の 限界だ」と述べた。会見の模様はNHKが中継した。

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