【今週の債券】長期金利0.5%割れ試す、短観悪化や10年入札順調予想で

今週の債券市場で長期金利は0.5% 割れを試す展開が予想されている。日本銀行が発表する企業短期経済観 測調査(短観)で景況感悪化が予想されていることや10年債入札が順調 になるとの見方から、金利低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが26日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.49-0.58%となった。前週の取引では26日に一時0.51%と2日 (0.49%)以来の低水準を付け、結局は0.515%で引けた。

日銀は10月1日に9月調査の短観を発表する。ブルームバーグ・ニ ュースが調査した市場予想(中央値)によると、大企業・製造業の業況 判断指数(DI)はプラス10と、小幅ながら2四半期連続での悪化が見 込まれる。6月調査ではプラス12だった。

パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長は、短観 について、「円安の影響は企業によってまちまちで、どちらかと言えば 弱い面を反映しやすいのではないか。積極的な設備投資計画が示されて も、消費増税に伴う経済成長率の振れが大きい中で先行き不透明感は根 強い」と言う。

10月2日に10年利付国債の入札が行われる。前回入札の335回債と 銘柄統合するリオープン発行で、表面利率(クーポン)は0.5%となる 見込み。発行額は前回債と同額の2兆4000億円程度。

大和住銀投信投資顧問の奥原健夫シニアファンドマネジャーは「10 年債入札は良い結果になるだろう。日銀国債買いオペに入れ過ぎて、シ ョート(売り建て)気味になっている。しっかり応札しなければいけな い投資家が多い。テールも縮小方向ではないか」と予想する。

2年債入札

9月30日には2年利付国債入札が実施される。新発2年物の344回 債利回りは0.065%で取引されており、クーポンは0.1%に据え置かれる 見込み。発行額は前回債と同額の2兆7000億円程度。

市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先物は中心限月の12 月物、10年国債利回りは335回債。

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物12月物145円50銭-146円20銭

10年国債利回り=0.49%-0.55%

「現物市場の需給環境が引き続き良好なだけに、金利は上昇より低 下方向に動きやすい。国内投資家は新規購入にやや慎重なため、金利低 下の余地はさほど大きくはないが、海外勢の円債への投資意欲は旺盛 だ。日銀の国債買い入れもあって需給の引き締まりは揺るがないとみて いる。7-9月期の景気回復がそれほど強くない可能性が高いことや、 中東情勢緊迫化など地政学リスクの高まりも追い風」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長

先物12月物145円60銭-146円15銭

10年国債利回り=0.49%-0.54%

「債券を十分に積めていない投資家は多く、銀行は資金を日銀に積 んで買い余力もあり、長期金利の0.5%台半ばはしっかりした需要が見 込まれる。相場の調整幅は限られ、10年債の入札結果も悪くないだろ う。ただ、週後半にかけて若干売られそうだ。10年債を皮切りに長期・ 超長期債の入札が再開される上、米雇用統計の発表に向けた警戒感も高 まりやすい」

◎大和住銀投信投資顧問の奥原健夫シニアファンドマネジャー

先物12月物145円20銭-146円20銭

10年国債利回り=0.50%-0.58%

「長期金利は0.60%に近付けば買いが入り、0.50%近辺では様子見 姿勢画強まるとみている。日銀が発表する9月調査の短観については、 予想通りであれば相場には大きな反応はないだろう。週末に発表される 9月の米雇用統計については良い内容が出てもおかしくない。2年利付 き国債の入札は、足元の短期市場の需給が引き締まっており、問題なく 消化できるとみている」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎.

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