三菱UFJ:日本株調査の質向上へ-米バーンスタインがモデル

三菱UFJモルガン・スタンレー証 券は日本株の調査リポートの品質向上への取り組みを強化する。年内を めどに新手法による個別銘柄のレーティング変更を行うほか、米国の金 融機関サンフォード・バーンスタインをモデルに、グローバルで長期的 視野に立った調査リポートの作成を目指す。

三菱UFJモルガンの塩原邦彦エクイティリサーチ部長がブルーム バーグ・ニュースとのインタビューで今後の調査業務の強化方針を明ら かにした。現在458社のカバレッジ体制を来年3月末までに500社超に拡 大するほか、グローバル展開する情報ベンダーを積極的に活用し、海外 の企業や市場動向などの情報をリポートに生かしていく考えだ。

野村証券やみずほ証券などの国内勢が日本株ビジネスで存在感を強 める中、三菱モルガンはこれまで遅れを取っていたエクイティ業務で調 査の質を高めて競争力を強化し、機関投資家との取引拡大につなげる狙 い。また、投資家としての規範を定めたスチュアードシップ・コードの 導入など運用環境も変化しており、アナリストらはより多面的な分析な ど新たな対応を迫られている。

塩原部長は日本で発行されている調査リポートについて、これまで は企業のIRが言うままに書く広報資料のようだったとし、三菱UFJ は「普通のことができていなかったので、マーケットではわれわれの存 在意義はほとんどなかったのではないか」と評価した。その上で、「重 要なのはきちんとしたリポートを出すこと」で、そうしなければ「生き 残ることはできない」と述べた。

「グランドピクチャー」

三菱UFJモルガンは9月5日、レーティングの方法を変更した。 個別銘柄に対するレーティングをTOPIX相対から、セクター相対パ フォーマンスに基づく判断に変えた。またセクターのパフォーマンスに 対するレーティングの付与も新たに開始した。投資判断の強弱感を一層 明確にするのが狙いだとしている。

同社の顧客はアナリストリポート全般について、「会社情報の横流 し、まるでIR担当者の発言のようだ」、「コーポレートアクション後 の対応が大半で自らの見解が希薄」、「四半期業績の着地点の議論に終 始し、構造的な変化を見ていない」、「産業、企業の中長期的な視点、 グランドピクチャーを描けるアナリストが少ない」といった意見を持っ ているという。

サンフォード・バーンスタイン

三菱UFJは現在、同社のRRC(リサーチレビューコミッティ ー)で全てのエクイティ関連のリポートの品質を精査している。そのた め年間約4000本出ていたリポートは3500本ペースに減る見込みだとい う。塩原部長によれば、新手法に基づくレーティングの変更は中間決算 シーズン前後で一通りのめどがつくという。

塩原部長は、サンフォード・バーンスタインのリポートについて、 「クオリティーが傑出して高い。産業構造の分析などロングタームでデ ィープなアナリシスで、グローバル投資家は皆使っている」と評価。自 社リポートの品質向上のモデルにしたい考えを示した。

三菱UFJはクレディ・スイスで株式調査部長を務めていた塩原氏 を2012年に採用した。同氏はクレディS勤務の前はゴールドマン・サッ クスのパートナーで、自動車業界アナリストの経験も持っている。

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