戦車と地下鉄をセット販売-中国兵器産業の世界戦略急拡大

南スーダンの軍装備から米メーン州 の鉄道車両製造まで、中国は同国最大の兵器製造企業、中国北方工業 (ノリンコ)を通じて世界での存在感を急速に高めている。

南アフリカの首都プレトリアで今月開催されたアフリカ航空宇宙・ 防衛エキスポ。ノリンコのブースは、哨戒レーダーを積載したトラック など中国製の軍装備品に関心を示すナミビアやタンザニアの要人で賑わ った。

ライフルからホイッツァー(榴弾砲)、レーザー誘導爆弾、人員輸 送装甲車、戦車、ドローン(無人機)など、新興国の政府が手軽に軍隊 を装備できるよう、ノリンコはスターターキットを用意している。中国 国営メディアはこれを「軍需のセットメニュー」と評した。

鄧小平氏の時代に創立されたノリンコは世界の軍需産業のトップク ラスに位置し、今や火力と影響力の両方で米国としのぎを削るまでにな った。

売上高620億ドル(約6兆7500億円)、27万5000人の人員を擁する 同社は、政府から巨額の予算をつぎ込まれる人民解放軍に支えられ、コ ングロマリットとして急成長。過去5年間に防衛大手で最速ペースで成 長し、ロッキード・マーチンやゼネラル・ダイナミクスを抜いた。

兵器ビジネスの成長はノリンコの民生品部門を有利にする。兵器を 格安で売る相手に、同社は民生品も買わないかと持ち掛けるためだ。

中国共産党は国防産業に対し、兵器の技術革新に上手に順応できる よう、民間企業との提携や意見交換を勧める。

アリババ、米メーン州

例えば中国最大の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディ ングは、ノリンコと共同で衛星測位サービスのベンチャーに10億元 (約177億円)を投じることで合意した。国営金融メディアの7月のリ ポートで明らかになった。両社いずれもコメントを拒否している。

6月には米メーン州のポール・ルパージュ知事が北京を訪れ、ノリ ンコの幹部らと鉄道車両工場の誘致を話し合った。同州開発当局の責任 者、カール・フローラ氏の今月5日付の電子メールによると、このプロ ジェクトをめぐるノリンコとの協議は現在もなお継続中だ。

このほかメキシコの地下鉄車両やミャンマーの鉱山機械など、ノリ ンコの民生部門は世界で足場を広げている。昨年には子会社を通じてド イツの車両部品メーカーを取得、初の海外企業買収を果たした。

南スーダンではノリンコ製の兵器を備えた軍隊が、中国石油天然ガ ス集団(CNPC)の石油生産設備を警備し、中国の防衛産業とエネル ギー産業の見事な連携を見せている。

カリフォルニア大学サンディエゴ校で国際紛争協力研究所のディレ クターを務めるタイ・ミン・チェン氏は、「ノリンコは兵器取引を新し いビジネス分野に結び付けることに成功している」と指摘。「同社の変 容はいろんな意味で、中国防衛産業の変容を物語っている」と述べた。

原題:Top China Arms Maker Goes Global With Cheap Tanks, Starter Kits(抜粋)

--取材協力:Xin Zhou、Nicholas Wadhams、Ilya Gridneff.

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