運輸安全委:787バッテリー不具合、原因特定できず

運輸安全委員会は、昨年1月に発生 した全日本空輸のボーイング787のバッテリー不具合による緊急着陸 について、発熱現象の発生要因を特定できなかったとする調査報告書を 公表した。この調査を踏まえ、同委員会は米国連邦航空局(FAA)に 対し製造業者らへの指導などを勧告する。

報告書はバッテリーが連鎖的に異常高温となる「熱暴走」を起こ し、原因は内部でショートしたと推定しながらも、発生の仕組みは「最 終的には特定することはできなかった」としている。787のバッテリ ーはジーエス・ユアサ・コーポレーション製。

昨年1月の不具合では、バッテリー内の部品の1つでの内部ショー トが、他にも影響を及ぼしバッテリーの損傷が拡大した。この原因につ いて、開発試験で内部ショートの影響が「過小評価されたことが関与し たものと考えられる」と指摘している。

報告書はFAAに対し、航空機メーカーなどに、装備品の試験を実 際の運用に適した模擬的な環境で行うよう指導することや、技術基準を 見直し、必要があれば基準の改正を行うことなどを勧告している。同委 員会は国土交通省の外局で、事故調査や原因究明を行う。

後藤昇弘委員長は会見で報告書について、米国家運輸安全委員会 (NTSB)と「試験段階からコンタクトをとりながら」まとめたもの とし「これ以上われわれに何かできることは、非常に少ないと思う」と 語った。

報告書の公表を受け、GSユアサの広報担当、大道由加氏は「現在 は報告書を精査しているところであり、現時点で外部にコメントするこ とはできない」と述べた。全日空は電子メールによる文書を通じ、確認 されたバッテリー関連の改修を実施しており、報告を受けて「更なる再 発防止、対策など」に取り組むとのコメントを発表した。

787は一時世界で運航停止となったが、ボーイングが対策改修を 施し、昨年4月にエチオピア航空、同6月に全日空と日本航空など、こ れまでに各航空会社が同型機の運航を再開させている。

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