ゴールドマン松井氏:年内にTOPIX6%下げ、政策材料難

ゴールドマン・サックス証券のチー フ株式ストラテジスト、キャシー・松井氏は年末までにTOPIXが現 状水準から6%ほど下げるとみている。政策面で市場を押し上げる材料 が不足している、と判断するためだ。

松井氏は19日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、日 本の各種政策は「インパクトはあるだろうが、著しいポジティブ・サプ ライズが出てくる可能性は限定的だろう」と指摘。年金積立金管理運用 独立行政法人(GPIF)の資産構成見直しについても、「発表するこ とは分かっており、内容の方向性も自明だ」と話した。

ゴールドマン証は5日、日本株の3カ月の投資判断を「ニュートラ ル」から「アンダーウエート」に下げた。直近数カ月の相場上昇とマク ロ経済指標の軟調が理由だ。TOPIXの3カ月後の予想値は1250ポイ ント、6カ月後は1300、12カ月後は1450。25日の終値は2008年6月以来 の高値となる1346.43。割安なバリュエーションや改革進展の期待など で強気姿勢だった年初と比べ、TOPIXの12カ月後予想は変わってい ないものの、3カ月後予想は徐々に下方修正されている。

来年度に消費税率の10%への再引き上げが実施される場合、それに 伴い日本銀行が追加の金融緩和を実施するとの見方が市場の一部にはあ る。しかし、そうした上昇カタリストも市場では既に予想されていると 同氏。当面はボックス相場、と分析した。

安倍晋三首相は19日に行われた内外情勢調査会の講演で、GPIF の改革を極めて重視しているとし、資産構成について「できる限り早く ポートフォリオの見直しを行いたいと考えている」と発言。来年10月か らの消費税率10%への引き上げ有無は、「年内に判断する」との姿勢を 繰り返した。

ウーマノミクスは前進

ただ松井氏は、「ラリーが終わったと言いたいわけではない」とも 発言。ミクロの国内企業業績は強く、「10月末から11月にかけ発表され る中間決算の内容は、ポジティブ・サプライズが多いだろう。保守的な ガイダンスを発表していた企業は予想を引き上げ、市場にとってポジテ ィブになろう」と言う。

12カ月では、同氏は投資判断「オーバーウエート」を維持。「昨年 はマクロ経済が話題の中心で、非常にトップダウンの市場だった。こと しは注目がミクロ要因に移っている」とし、海外投資家も含め、好業績 で割安な小型株への投資意識が高まっている現状にも触れた。

また、安倍政権下でコーポレート・ガバナンス、女性の活用は前進 しているとの認識も示した。3日に行われた内閣改造で、史上最多に並 ぶ女性5名が入閣した点に言及、「変化はあまりに遅れており、政府が 変化の先頭に立つことの重要性を示す」と指摘する。

松井氏らは1999年以降、女性が活躍する経済を「ウーマノミクス」 と名付け、関連リポートを継続的に配信してきた。この中で、女性の労 働参加率が男性と同等になれば、国内総生産(GDP)は13%拡大し、 労働人口は700万人増加する可能性がある、と分析している。女性が活 躍する社会づくりは、今や安倍政権の成長戦略の柱の1つだ。

「日本の労働市場は急速に縮小しており、経営陣は人材を保ち、成 長させる方法を熟慮している。企業の多様化を進めることの経済的メリ ットを理解し始めたという人もいる」と同氏は話した。

ゴールドマン証では、女性の一段の就業拡大の恩恵が期待できる 「ウーマノミクス関連銘柄」を選定しており、5月の入れ替えでは従来 の30社から36社に増加。「Eコマース関連」「旅行・レジャー」「外 食・中食」「美容製品・サービス」「アパレル関連」「保育サービス」 「看護・介護サービス」「人材派遣」を重要テーマ群とし、JR東日本 やヤフー、テンプホールディングス、エイチ・アイ・エス、セブン&ア イ・ホールディングス、ニチレイ、エフピコ、ファーストリテイリン グ、花王、スタートトゥデイ、ユニ・チャームなどを挙げている。

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