日本株は続落、中東リスクと円高警戒-輸出、金融中心に売り

東京株式相場は続落。中東での地政 学リスクの高まりや欧州景気の悪化、為替の円高進行に警戒感が広が り、自動車やゴム製品など輸出関連株、証券や保険など金融株、海運、 情報・通信株中心に売られた。

TOPIXの終値は前営業日比4.70ポイント(0.4%)安 の1326.18、日経平均株価は38円45銭(0.2%)安の1万6167円45銭。

三井住友アセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、 「日本株は8月中旬からトントン拍子で上げ、日経平均が昨年末高値を 上回ってきたことで株価水準からは一服感が出ている」との認識を示し た。ただ、直近の円安に伴う企業利益の上積み期待などから調整幅も小 さく、「トレンドになるような下げではない」と言う。

米国はサウジアラビアやヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)な どの協力を得て、シリア領内の過激派組織「イスラム国」に空爆を実 施。米国防総省は、過激派グループ「ホラサン」に対する空爆実施は、 同グループが米国本土への差し迫ったテロ攻撃を計画していたことが理 由と説明した。一方、イスラエル軍は23日、イスラエルの領空を侵犯し たシリアのジェット戦闘機を撃墜した。

きょうのドル・円相場は一時1ドル=108円40銭台と、東京株式市 場の22日終値時点108円86銭に比べ円高方向に振れた。中東情勢を背景 にしたリスク資産回避の動きで、23日の米国債は4営業日続伸、10年債 利回りは2.53%と11日以来の低水準になり、米ダウ工業株30種平均は連 日で100ドル以上下げていた。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「中期的に は米軍によるシリア空爆で解決できる話ではなく、事態が泥沼化すれ ば、最終的には地上戦になるかもしれない。テロ行為の可能性も高ま る」とみる。地政学リスクで金融市場がリスクオフ(回避)になれば、 「米長期金利が低下して為替が円高になりやすい」とも指摘する。

欧州統計低調も、配当取りが下支え

また、英マークイット・エコノミクスが23日に発表した9月のユー ロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は、52.3と前月の52.5から低 下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は52.5。

祝日明けの日本株は、朝方に日経平均が100円以上下げたが、その 後は下げ渋り。根強い国内政策期待に加え、9月末の権利付き最終売買 をあすに控えた買いなども下支え要因になった。マネックス証券の広木 隆チーフ・ストラテジストは、「10月後半からの決算発表では4-9月 期業績の上振れと通期計画の上方修正期待がある。消費増税決断を控え て政策期待もあり、現在の株価水準で売ってくる投資家は少ない」と指 摘。一方で、医薬品株などには配当権利取りの動きも加わっている、と していた。

訪米中の安倍晋三首相は外交問題評議会(CFR)との懇談会・昼 食会でスピーチし、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革 を極めて重視し、できる限り早くポートフォリオを見直したいなどとの 考えをあらためて示した。

東証1部33業種はゴム製品、証券・商品先物取引、保険、情報・通 信、海運、鉄鋼、不動産、鉱業、非鉄金属など23業種が下落。建設や金 属製品、倉庫・運輸、陸運、繊維、医薬品など10業種は高い。売買高 は21億6405万株、売買代金は2兆2231億円。値上がり銘柄数は741、値 下がりは936。

売買代金上位では、中国アリババ・ グループ・ホールディングの 株価下落を嫌気し、ソフトバンクが続落。トヨタ自動車やソニー、野村 ホールディングス、コマツ、ブリヂストン、新日鉄住金、東京海上ホー ルディングス、セイコーエプソン、コロプラも安い。半面、村田製作所 やアステラス製薬、日本電産、富士フイルムホールディングス、清水建 設は上昇。イオンによる完全子会社化観測のダイエーは急騰した。

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