債券は上昇、地政学的リスクを背景に買い優勢-日銀オペも支え

債券相場は上昇。地政学的リスクの 高まりを背景に、前日の米国市場で債券高・株安となった流れを引き継 いだほか、日本銀行による国債買い入れオペも相場の支えとなり、買い が優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前営業日比9銭高の145円 81銭で始まった後、一時は145円88銭まで上昇した。午前には145円79銭 まで伸び悩む場面があったものの、午後にかけては買いが再び優勢とな り、結局、12銭高の145円84銭で引けた。

バークレイズ証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、「国内 株価が若干軟調であり、前週までの海外金利の上昇も一服し、円安も落 ち着いているため、円債は堅調地合い」と説明した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.53%で始 まった。その後は、0.525%-0.53%のレンジで推移した。20年物150回 債利回りは1bp低い1.375%で推移。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「先週の米連邦 公開市場委員会(FOMC)などのイベントで円安・株高が想定以上の ペースで進んだが、思ったほど金利が上昇しないことが確認され、買い 戻しが続いている」と指摘。「投資家は期末に現物債を保有したい意向 や償還資金の再投資需要がある上、日銀買いオペもサポート要因」と述 べた。

日銀が午前の金融調節で実施した今月8回目となる長期国債買い入 れオペ(総額9000億円)の応札倍率は、対象となった残存期間「1年超 3年以下」、「3年超5年以下」、「5年超10年以下」の3本全てが前 回を上回った。

バークレイズ証の福永氏によると、「日銀オペは、3-5年ゾーン はやや弱めに見えたが、5-10年ゾーンはしっかりだった。午後に先物 相場は小じっかりに推移」したと言う。

23日の米国債相場は4営業日続伸。米軍によるシリアへの空爆実施 やイスラエルが領空を侵犯したシリアの戦闘機を撃墜したと発表したこ とを受けて逃避需要が高まった。10年債利回りは前日比4bp低下の2.53 %程度。外国為替市場でドル・円相場はこの日、1ドル=108円台半ば から後半で推移している。

ドイツ証の山下氏は、「米国の空爆自体にサプライズ(意外感)は なく、米国市場はスピード調整の感じが強い。長期金利が低下余地をま た探っていくには為替水準が変わり過ぎている面もあり、円安トレンド が維持されている以上は金利の低下余地もあまり大きくないのではない か」と語った。

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