日経平均急落も、安倍首相が消費増税を延期なら-ポーゼン氏

エコノミストのアダム・ポーゼン氏 のワシントン事務所の壁には黒澤明監督の名作「七人の侍」(1954年) のポスターが掛けられている。

この記念の品はポーゼン氏の日本への愛着を物語る。学生時代に生 まれたこの親日感情は、日本の経済問題に関する著作や政策当局者に助 言するための来日といった同氏の経歴に表れている。2010年6月に発表 した研究論文では、文化的・経済的分析を混ぜながら「七人の侍」が中 央銀行当局者にもたらす教訓を指摘した。

こうした日本との結び付きやピーターソン国際経済研究所 (PIIE)所長としての経歴は、安倍晋三首相の経済プログラムに対 する海外投資家の熱狂が危うくなりかねないという同氏の警告に説得力 を与える。

ポーゼン氏は先週のインタビューで、安倍首相が消費税率を10%に 再び引き上げる計画を守らなければ心配だと語った。消費税率は4月に 8%に引き上げられたが、再増税を行わない場合、海外投資家による日 本株と円の投げ売りに備える必要があるという。

同氏は「安倍首相が引き上げの撤回や延期を決めたりすれば、株式 相場の急落を招く現実のリスクを冒すことになる」と述べた。

海外投資家の忍耐力

安倍首相は公約した規制緩和への失望感が増す中、消費増税実行の 是非を検討している。4月の増税の影響で日本経済は5年余りで最も急 激な落ち込みを記録しており、年内の判断を前に首相をためらわせる要 因となっている。

ただ増税延期となれば、15年にわたるデフレからの脱却と財政再建 という2つの課題への安倍首相の取り組みを支持してきた海外投資家の 忍耐力が試されることになると、ポーゼン氏は言う。

日本経済の将来には財政再建が不可欠だとの黒田東彦日銀総裁の発 言に、ポーゼン氏も同意する。同氏は日経平均株価が2013年初め以降 に50%余り上昇したのは「海外投資家がアベノミクスを当てにしたこと が主な要因だ。財政問題に果敢に立ち向かわなければ、海外投資家に好 感されなくなる」と指摘。それに続く円安でインフレ率が上昇すれば、 安倍首相がてこ入れしたい実質所得に打撃を与える恐れがあると付け加 えた。

原題:Nikkei Crash a Risk Seen by Posen If Abe Blinks on Tax-Rise Plan(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE