LNG船タンク用アルミ5割増産、UACJがシェールガス需要に対応

アルミ圧延国内最大手のUACJ は、液化天然ガス(LNG)輸送船に使われるタンク向けのアルミ厚板 の生産能力を5割拡大する。2016年以降に米国産シェールガスを原料に したLNG輸入の開始が計画されており、LNG船の建造も増える見通 し。原子力発電所の稼働停止で、代替となる火力発電所向けのLNG需 要の増加に対応する。

UACJ営業本部の八方誠営業企画部長が18日、ブルームバーグと のインタビューで明らかにした。現在のLNG船向けのアルミ厚板の生 産能力は9隻分に相当する年間3万6000トン。来年9月までに13隻超分 となる5万4000トンに引き上げる。生産拠点の福井製造所(福井県)を 増強して生産量を上げるほか、深谷製造所(埼玉県)でも設備を導入し て生産を可能にする。設備投資額は10億円弱を見込む。

球状タンクを持つモス型と呼ばれるLNG船向けにアルミ厚板を供 給している。タンク1基に使われるアルミの量は約1000トン。通常4基 のタンクを持ち、1隻では約4000トンのアルミを使用するという。幅4 メートル超、長さ16メートル超の大型厚板を複数枚張り合わせることで タンクを製造する。UACJはこのモス型タンク向けの大型アルミ厚板 を生産できる国内唯一のメーカー。

UACJは昨年10月に古河スカイと住友軽金属工業が経営統合して 誕生。会社全体のアルミ生産能力は100万トン。米アルコア、米ノベリ スに次ぐ世界3位に位置する。LNG船向けの厚板が全体に占める比率 は小さいものの、国内では主力の缶材向けなどアルミ需要の伸びが少子 高齢化などで見込みにくいことから、同社はこの分野を数少ない成長分 野として位置付けている

確実な供給体制

八方氏は米国からの輸入増に向けたLNG船の建造が来年から始ま るとして「確実に供給できる体制を整える」と説明。その上で「増強の 余地はあり、需要に応じて対応できる」と述べた。UACJではLNG 船向け厚板需要を2014年度は2万1000トン、15年度には4万4000ト ン、16年度には5万6000トン超にまで拡大すると予測する。

日本エネルギー経済研究所ガスグループの橋本裕研究主幹は現状計 画されている米産シェールガスの輸入量を勘案すると「新造船と新規チ ャーター分を合わせて20隻以上は必要になる」との見方を示す。「東日 本大震災のあった2011年を境にLNG船調達の世界も変わった。新造 LNG船需要は今までにない規模で高まっている」という。

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