ドル反落、先週までの急上昇一服で109円割れ-先高観変わらず

東京外国為替市場ではドルが反落。 米連邦公開市場委員会(FOMC)などイベントを通過し、先週までの 急速なドルの上昇が一服した。

ドル・円相場は1ドル=109円台を割り込み、一時108円67銭までド ル売りが進行。先週はFOMCメンバーの金利予測が引き上げられたこ となどを受け、109円46銭と2008年8月以来の水準までドル高・円安が 進んでいた。

みずほ銀行国際為替部の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミスト は「来週になれば米雇用統計やECB(欧州中央銀行)の理事会の週に なるので、今週は益出しの週になっておかしくない」と指摘。「今はポ ジションの偏りがあると思う」とした上で、ドル高の流れが終わったわ けではなく、「一服、小康状態という感じだ」と話した。

ユーロ・ドル相場は早朝に1ユーロ=1.2826ドルを付け、昨年7月 以来のドル高値を更新したが、その後じりじりと値を戻し、一時1.2868 ドルを付けた。ユーロ・円相場は1ユーロ=140円ちょうどを中心に一 進一退の展開が続いた。

G20

週末にオーストラリアのケアンズで開かれた20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議では、為替相場のコミットメントを順守する 方針が明記されたが、ドル高など特定通貨への言及はなかった。

G20は共同声明で、主要国はまだら模様の世界経済の成長押し上げ で金融刺激策に依存しているが、低金利が金融市場のリスク拡大につな がる恐れがあると指摘した。

麻生太郎財務相は同会議後、日本銀行の黒田東彦総裁と共同会見 し、今回のG20で「為替の相場について特に議論があったわけではな い」と述べた。その上で現在の為替水準はリーマンショック直後から続 く過度な円高の修正局面かとの質問について「財務大臣の立場でコメン トすることはない」と述べながら「2008年のリーマンショックの時の為 替は108円で今と同じ為替だった」と答えた。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、G20で市場の一部 が警戒していたドル高に対する言及がなかったことで、「ドル買いセン チメントは継続する」と予想。もっとも、FOMCやスコットランドの 住民投票などのイベントが終了したことで、今週発表される米指標が予 想の範囲に収まれば、「ドル上昇のスピードは鈍る」と指摘した。

元日銀副総裁の岩田一政日本経済研究センター理事長は19日のイン タビューで、今の円は行き過ぎとの見方を示し、現在の情勢は、円安が 「自国窮乏化」につながり、景気後退に至った2008年前半に似ていると 警鐘を鳴らした。

ECB総裁が証言

米国ではこの日、8月の中古住宅販売が発表される。今週はその他 に新築住宅販売や耐久財受注、4-6月期の国内総生産(GDP)改定 値などが発表される。

一方、欧州ではこの日、ECBのドラギ総裁が欧州議会の経済金融 委員会で証言するほか、9月のユーロ圏消費者信頼感指数が発表され る。

ドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁はG20会議閉幕後に 記者団に対し、財政面の余地は「多くの人の見方より通常かなり小さ い」と指摘し、「欧州および各国のルールによって限定され、高い債務 水準や今後の人口動態の負担のほか持続可能な財政政策への信認によっ て影響を受ける」と述べた。ルー米財務長官をはじめとする政策当局者 は欧州に対し需要拡大を強く求めており、カナダのオリバー財務相も一 部の欧州諸国は追加的な財政措置を検討すべきだと発言している。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のエマ・ローソンシニ ア通貨ストラテジストは、ドラギ総裁の証言では「将来的なバランスシ ートの規模に関する発言は特に重要だ」と指摘。その上で、ウクライナ 情勢をめぐる不透明感が「欧州の成長、特にドイツの経済成長に対する 市場の見方を圧迫しており、ユーロは低調な状況が続く」と語った。

--取材協力:Kristine Aquino.

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