【日本株週間展望】続伸へ、円安定着し業績期待-配当取りも

9月第4週(22-26日)の日本株相 場は、4週続伸が見込まれる。米国の早期利上げ観測を背景に為替市場 でドル高・円安が進んでおり、海外景気や企業業績の改善を期待する買 いが優勢となりそうだ。9月の配当権利取りの動きも予想される。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎経済調査部部長は、「米国の利 上げが現実化してきた。利上げは景気の良さを示し、株高要因になる」 とみる。ことしから来年にかけ、世界的に債券より株式を保有した方が 良いという「グレートローテーションのステージに入る可能性がある」 とも話し、第4週は日経平均株価で1万6500円までの上昇を読む。

第3週の日経平均株価は、前の週に比べ2.3%高の1万6321円17銭 と3週続伸。為替の円安を好感し、輸送用機器や機械、精密機器などの 輸出関連、鉄鋼といった素材関連株中心に幅広く上げた。TOPIXに 続き、19日には日経平均も年初来高値を更新した。

為替市場でドル高・円安が加速している。16、17日に開かれた米連 邦公開市場委員会(FOMC)が発表した参加者の予測で2015年末の政 策金利見通しが引き上げられたことから、17日の米10年債利回り は2.62%と2カ月ぶりの水準に上昇した。スコットランドの独立是非を 問う住民投票で、反対多数となったことによるリスク選好も加わり、19 日には08年8月以来の1ドル=109円台半ばまで円が下落した。

「積極的な引き締め」

FOMCで明らかになった米金融当局者のフェデラルファンド (FF)金利誘導目標の2015年末時点の予想中央値は、1.375%と6月 時点の1.125%から上方修正された。今回初めて示された17年末時点の 政策金利予測は、3.75%と市場予想と一致している。

「ゼロから1.375%への距離を考えると、積極的な引き締めがこの 先実施されることが分かる」と、フランクリン・テンプルトンの債券担 当シニアバイスプレジデント兼ディレクターのロジャー・ベイストン氏 は言う。その上で、「当局によるFF金利見通しの引き上げはドルの支 援材料になる」との認識を示した。

シティグループ証券の阿部健児ストラテジストは、円安には「日本 銀行による量的・質的緩和」と「米連邦準備制度理事会(FRB)によ る利上げ」の大きな2つのエンジンがある、と指摘。15年末のFF金利 先物が0.76%である市場予想とFOMC予想との乖離(かいり)幅が大 きいことから、今回のFOMCを受け「円安の第2エンジンの本領発揮 はこれから」とみている。

日本株市場では輸出数量の低調、原材料価格の上昇などから日本経 済の円安恩恵に対し、懐疑的な見方があった。しかし、シティG証の阿 部氏は「輸出金額と海外での収益の円換算価値が増加することで、上場 企業の業績にはポジティブな影響をもたらす」と判断。さらに、業績改 善は株価上昇を通じた資産効果で消費を増やし、経営者のマインド強気 化で設備投資も増え、日本経済に好影響が及ぶとのシナリオを描く。

米国では22日に8月の中古住宅販売件数、24日に新築住宅販売件 数、25日に耐久財受注が発表予定。ブルームバーグがまとめたエコノミ スト予想では、中古住宅は前月比1.0%増(前回2.4%増)、新築住宅 は4.4%増(同2.4%減)、耐久財受注は17%減(同22.6%増)と強弱ま ちまちの見込みだ。

GPIF改革に期待、季節性は重し

SMBC日興証券の圷正嗣ストラテジストは、第4週は米国、国内 とも大きなイベントに乏しい中、「円安が急速に進んできたことから、 株高は続きやすい。為替の円安に一服感が出ても、円高にならなければ 株価にポジティブ」とみる。需給面でも、「年金積立金管理運用独立行 政法人(GPIF)に対する思惑が出てくる可能性がある」とした。

安倍晋三首相は19日、東京都内で行われた内外情勢調査会の講演 で、GPIFのポートフォリオを早期に見直したいと発言。GPIF改 革を極めて重視しており、塩崎恭久厚生労働相は根っからの改革論者だ と語った。塩崎厚労相は同日の閣議後会見で、GPIFの自家運用は白 紙から見直すなどと述べた。

株価の先高期待は強い半面、直近の上昇ピッチの速さや季節要因か ら上昇の勢いは鈍る可能性もありそうだ。いちよしアセットマネジメン トの秋野充成執行役員は、今年度の上半期末を迎えて機関投資家は「ほ とんど動かない」と予想、米金融政策のイベントも通過し、「利益確定 売りが進むかもしれない」とみている。

大和証券の佐藤光シニアテクニカルアナリストによると、月次ベー スでパフォーマンスが例年悪くなりやすい9月の中でも、最近は下旬の 株価が日米とも軟化することが多い。1990年以降では9月20日(または その直前の営業日)から9月末までの米ダウ工業株30種平均と日経平均 はともに75%の確率で下落していたという。

また、25日は9月末配当の権利付き最終売買日だ。同日までは配当 取りの買いが相場にプラスに働くとみられる半面、権利落ちの26日はブ ルームバーグ・データの試算によると、日経平均で92.7円の配当落ち分 が予想される。このほか日本株に影響を与えそうな材料は、中国で23日 に9月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)、国内では26日に8 月の全国消費者物価指数の公表がある。

--取材協力:竹生悠子.

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