米国債(19日):30年債中心に上昇-インフレ抑制見通しで

米国債相場は3週間ぶりに続伸し た。インフレや世界経済成長の見通しが後退する中、30年債の買いが目 立った。

ドイツ10年債に対する米10年債の上乗せ利回りは、15年ぶりの幅近 くに拡大した。米5年債と30年債の利回り差はここ1週間で最小となっ た。米連邦公開市場委員会(FOMC)は17日、2015年末の政策金利予 測を上方修正した。米財務省は来週、総額930億ドル相当の固定利付債 を発行する予定だ。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「欧州に比べると割安だという見方、そして 永久に景気の腰折れが続くとの見方から買いが入っている。米金融当局 が利上げに踏み切れば、さらに腰折れするだけだ」と指摘。「市場参加 者は米国債のロングに傾いている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時5分現在、30年債利回りは前日比6ベーシスポイント(b p、1bp =0.01%)低下の3.29%。同年債(表面利率3.125%、償 還2044年8月)の価格は1 5/32上げて96 31/32。同利回りは週間でも6 bp低下した。

独10年債に対する米10年債の上乗せ利回りは1.53ポイント。17日に は1.57ポイントをつけた。

先物動向

米商品先物取引委員会(CFTC)の統計によれば、ヘッジファン ドなど大口投機家は16日終了週に2年債に対する弱気な見方を強め、ネ ットショートが9万6810枚と2007年6月以来の最高となった。30年債に 対しては強気な見方を強め、ネットロングが2万4958枚と前週の1 万6615枚から増加した。

FOMC当局者のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の2015 年末時点の予想中央値は1.375%と、今年6月の予想1.125%から上方修 正された。債券購入額は月150億ドル(約1兆6300億円)に減らす方針 を発表。100億ドルずつ縮小させるのは7会合連続で、資産購入プログ ラムが来月終了するペースを維持した。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルベ ス氏は顧客向けリポートで「ハト派、タカ派の両シナリオが少しずつそ の通りになった形だ」と指摘。「金融当局はボールを市場のコートに戻 してきた。投資家は当局が正しい金利水準について伝達してくるのを待 つよりも、景気や適切な金融政策の道筋を評価し続けるべきだ」と述べ た。

「インフレの兆しは見られない」

市場のインフレ期待を示す10年債と同年物インフレ連動国債 (TIPS)の利回り差は2.03ポイント。前日は一時2.02ポイントと、 昨年7月以来の最小となった。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券ト レーディング担当シニアバイスプレジデント、マイケル・フランゼーセ 氏は「インフレの兆しは見られない。長期に手を伸ばして利回りを獲得 するのも良さそうだ」と述べた。

財務省は23日に290億ドルの2年債、24日に350億ドルの5年債、25 日に290億ドルの7年債の入札をそれぞれ実施する。24日には130億ドル の2年物変動利付債の入札も実施する。

米民間調査機関コンファレンス・ボ ードが発表した8月の米景気 先行指標総合指数(LEI)は前月比0.2%上昇。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%上昇だった。前月 は1.1%上昇と、速報値の0.9%上昇から上方修正された。

原題:Treasury 30-Year Bonds Gain as Inflation Outlook Spurs Demand(抜粋)

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