FRB:利上げは先だが急ペースの引き締めも-シグナルに矛盾

16、17日に開催された米連邦公開市 場委員会(FOMC)会合に臨んだ金融当局者は、すぐに主要政策金利 の引き上げに踏み切る意向はないとする一方、いったん利上げに着手す れば、これまでの想定よりも速いペースで引き締めに動く可能性を示唆 した。

連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長ら当局者は、17日に 公表したFOMC声明で、10月に予定している資産購入終了後も、政策 金利を「相当な期間」にわたってゼロ近辺に据え置く方針を改めて表明 した。

しかし、FOMC参加者は最新の経済予測で、2015年末時点の政策 金利の予想中央値を1.375%とし、6月時点の1.125%から上方修正して おり、来年利上げを開始すれば、ハイペースで進めることになるとの見 通しを示唆した形となった。

三菱東京UFJ銀行のチーフ金融エコノミスト、クリス・ラプキー 氏は、相当な期間という文言を声明に残す一方で、政策金利の予想が上 方修正されたことには「緊張関係がある」と指摘。「FRBの意図を市 場が推測し続けなければならないようにさせる極めて綱渡り的な行動 だ」と論評した。

矛盾したシグナル

「相当な期間」の金利据え置き方針が確認されたことで、株価と米 国債相場はいったんは上昇。だがその後、経済予測に盛り込まれたハイ ペースの利上げ見通しに投資家の関心が集中したことで売りが出た。

スターン・アギーのチーフエコノミスト、リンジー・ピエグザ氏は 当局の判断について、「市場に不安定な反応を引き起こすよりも、『相 当な期間』の文言を残すことに決めた」と分析する。

イエレン議長はFOMC後の記者会見で、経済見通しは過去数カ月 間それほど変化しておらず、「相当な期間」の文言を維持することにし たと解説。その一方で、声明は金融当局の自由を奪うものではなく、経 済情勢次第では、より早期の利上げは可能だと多くの時間を割いて説明 した。

FRBウオッチャーの一部からは、金融当局者が矛盾した内容のシ グナルを発したとして批判の声も上がる。ドイツ銀行の主任国際エコノ ミスト、トルステン・スロック氏は、来年金利は上昇すると予想しなが ら相当な期間にわたり低金利を維持すると言うのは「幾分一貫性を欠 く」との見方を示す。

スタンダードチャータードのエコノミスト、トーマス・コスターグ 氏は「イエレン議長はぎりぎりの路線を歩もうとしているが、それは危 険な行動だ」と述べ、「議長は事を大げさにしたくないと常に考えてい るようだが、ブーメランのように戻ってくるリスクがある」と付け加え た。

原題:Fed Signals Rate Rise Still Distant as Steeper Slope Projected(抜粋)

--取材協力:Jeff Kearns、Steve Matthews、Craig Torres、Christopher Condon.

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