スコットランド独立で英銀に何が起きるか-シナリオを検証

スコットランドの英国からの独立の 賛否を問う国民投票が18日に実施され、英国時間の19日早朝(日本時間 同日午後)に最初の投票結果が判明する。シナリオを検証した。

スコットランドの独立が承認された場合、ロイヤル・バンク・オ ブ・スコットランド・グループ(RBS)やロイズ・バンキング・グル ープなど、イングランドとスコットランドの両方で営業する金融機関の 将来に複雑な影響が及ぶ。金融危機で公的救済を受けたRBSとロイズ は、いずれもエディンバラで相当規模の業務を展開している。

Q:住民投票で独立賛成が多数となった場合、イングランド銀行 (英中央銀行)はスコットランドからの資金流出や金融パニックを防ぐ ために統制を課すだろうか。

A:スコットランドのスターリング大学のデービッド・ベル教授 (経済学)によれば、極端なシナリオの下では、イングランド銀が1日 当たりの預金引き出しを制限したり、銀行に1日以上の営業休止を命じ たりすることがあり得る。

JPモルガン・チェースによると、英中銀は不安を抑えるため、正 式な独立まではスコットランドの銀行の「最後の貸し手」であり続ける とあらためて表明するかもしれない。2007年のノーザン・ロックの破綻 で、オンライン資金に預金者がアクセスできずパニックが拡大したよう な事態を避けたいと全ての当事者が望むだろう。

イングランド銀のカーニー総裁は英議会で先週、銀行の資産の多く の部分がどこにあるかにかかわらず、スコットランドに法的な所在地が ある金融機関の最後の貸し手の役割を英中銀が永久に果たし続けること はないと言明した。

Q:顧客の一部が貨幣の引き出しに殺到する場合に備えて、現金自 動預払機(ATM)の資金が底を突かないように銀行をどのような対策 を講じているか。

A:イングランド銀のギーブ元副総裁は、ATMに十分な紙幣を確 保するよう当局が金融機関を指導することになろうと述べた。

Q:インターネットバンキングは18日と19日、来週も終日利用でき るか。情報技術(IT)が引き続き円滑に機能するように銀行は特別な 準備を行っているか。

A:RBSとロイズの担当者はオンラインサービスについて、通常 通り24時間営業すると回答。HSBCホールディングスの広報担当者 は、自行のIT運用についてコメントを控えている。

Q:顧客の預金は保護されるか。

A:英国の「フィナンシャル・サービシズ・コンペンセーション・ スキーム」に基づき、銀行1行につき最大8万5000ポンド(約1500万 円)までの預金が保護される。スコットランド行政府は、独立後もこの プログラムを継続し、欧州連合(EU)が定める最低要件に沿って同額 の預金保証を提供するとしている。

Q:スコットランドの独立が承認されれば、RBSとロイズは法的 な所在地をイングランドに移す計画だが、どの程度のコストが見込まれ るか。

A:サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、チランタ ン・バルア氏は、いずれも10億ポンド(約1770億円)程度の費用がかか り、デリバティブ(金融派生商品)契約や金融商品の管轄区域の変更に 伴うコストがその大部分を占めると予想している。

Q:RBSとロイズは独立に向けた動きが今後も後を絶たないとの 思惑から、独立が否決されても移転作業に着手するだろうか。

A:銀行アナリストらが先週指摘したところでは、RBSとロイズ は、スコットランドの将来をめぐる不安が恒久的に続くリスクを嫌い、 ロンドンに法的な所在地を移す可能性が高い。カナダでケベック州の独 立を問う住民投票が行われた過去の例を見ても、モントリオール銀行や ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)が本店をトロントに移転さ せた。

原題:What Happens to British Banks If Scotland Votes to Separate? Q&A(抜粋)

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