GPIFや共済:国債売り越し、4四半期連続-リスク資産買い鮮明

年金積立金管理運用独立行政法人( GPIF)や共済年金などの公的年金は4-6月期に、国債・財融債を 4四半期連続で売り越した。国内債中心の運用の見直しを進める中で、 日本株の買い越しは3四半期連続となるなど、海外の債券や株式を含め リスク資産を買う動きは鮮明になっている。

公的年金の国債・財融債の売り越しは1兆1851億円。保有残高は65 兆1899億円と2006年7-9月期以来の水準まで減った。日本銀行が18日 公表した資金循環統計で明らかになった。日本株は3930億円の買い越し で、保有額は27兆9474億円と過去最高に迫った。海外の債券・株は2848 億円の買い越し。保有額は42兆7115億円と過去最高を記録した。

クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、公的 年金の資産構成の変更は「すでに始まっている」と読む。株価が上昇傾 向にある中で「高値つかみにならないよう、先行して徐々に動くのが賢 明だという面もある」と述べた。

また、来年10月にGPIFと運用を一元化する共済年金については 「国債の比率がGPIFより高いため、より大幅に変更する必要がある 。間近になって急に動けば、市場の乱高下や自身の収益低下を招く恐れ がある」と指摘した。

1-3月期を大幅修正

日銀が同時に発表した1-3月期の確報値では、国債・財融債の売 り越しは速報時点の1兆8511億円から2兆5315億円と大幅に修正され、 データでさかのぼれる1997年以降で最大となった。日本株の買い越しも 357億円から1兆92億円と2011年9月以来の高水準に修正。対外証券投 資は1067億円の売り越しから4898億円の買い越しに転じ、その額は09年 1-3月期以来の大きさとなった。

厚生年金と国民年金の運用資産127.3兆円を抱える世界最大規模の 年金基金、GPIFは4-6月期に国内債の残高を67.9兆円と12年末以 来の水準に圧縮。国内株は22兆円と昨年末の過去最高に迫った。外国債 券は14兆円、外国株式は20.3兆円で、ともに最高を記録した。

GPIFが現在の基本ポートフォリオで定める資産構成の目標値は 国内債が60%、国内株が12%、外国債が11%、外国株が12%、短期資産 が5%となっている。資産構成の見直しを検討中のGPIF運用委員会 の米沢康博委員長は7月のインタビューで、新たな資産構成は未定だが 、国内債が「30-50%という水準には違和感はない」と発言。見直し結 果は「秋までに公表できる見通しだ」と話した。

ブルームバーグ・ ニュースが5月に実施した市場調査の中央値で は、GPIFは国内債の目標値を40%に下げる一方、国内株を20%、外 債を14%、外株を17%にそれぞれ上げると見込まれていた。6月末の実 勢からは、国内債がさらに約17兆円減り、日本株は約3.5兆円、外貨建 て資産は約5兆円増える計算だ。

運用一元化

GPIFと他の公的年金は来年10月に運用を一元化し、利回り目標 やリスク許容度などを共有すると法律で定められている。国家公務員共 済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振 興・共済事業団の主要3共済の運用資産は3月末時点で約30.4兆円。市 場がGPIFに見込む新たな資産構成を適用した場合、国内債を約6.6 兆円圧縮し、日本株は約2兆円買い増す必要がある。合計約21兆円に及 ぶ地方自治体の各種年金も追随すれば、国内債減・日本株増はさらに膨 らむ見通しだ。

国債・財融債と国庫短期証券を合わせた「国債等」の残高は6月末 に過去最大の1013兆円。3カ月間で約15兆円増えた。公的年金は全体の

6.4%に当たる約65兆円を保有している。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは6月末に0.565%。 3月末から7.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。 TOPIXは5%高い1262.56。米国債の10年物利回りは2.53%と18.8 bp下げた。米S&P500種株価指数は4.7%上げて1960.23だった。円 はドルに対して1ドル=101円33銭と1.8%上げた。

この日は、TOPIXが08年7月以来の日中高値を更新、日経平均 株価は1月以来となる1万6000円台に乗せた。東京外国為替市場では、 ドルが対円で108円87銭と、6年ぶり高値を更新した。

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--取材協力:近藤雅岐.

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