米国債:2年債下落、FOMCが来年末の金利予測引き上げ

米国債相場は下落。5年債利回りは 1年ぶりの水準に押し上げられた。米連邦公開市場委員会(FOMC) は資産購入が終了した後も事実上のゼロ金利政策を「相当な期間」維持 する方針をあらためて示し、フェデラルファンド(FF)金利の2015年 末予想(中央値)を引き上げた。

1カ月ぶりの幅に広がっていた2年債と30年債の利回り差は、 FOMC後に縮小。FOMC参加者がFF金利の2015年末予想(中央 値)を1.375%に引き上げたことが影響した。6月の時点では1.125%だ った。FOMCは月額の資産購入規模を7会合連続で100億ドル縮 小、10月で終了する意向をあらためて示した。

チャールズ・シュワブ(ニューヨーク)の債券ストラテジスト、キ ャシー・ジョーンズ氏は「FOMCは確かに金利正常化に向けて前進し ている」と指摘。「2015年末のFF金利予想中央値の上昇はなかなかの 幅だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇し1.83%。昨年9月6日以来の高水準に達した。10年債 利回りは3bp高い2.62%。

2年債と30年債の利回り差(イールドカーブ)は3bp縮小し て280bp。一時は8月14日以来で最大の284bpに広がっていた。

「買うなら10年債」

シュワブのジョーンズ氏は「長期投資なら10年債が買いだ」と言 う。「イールドカーブの平坦化で、リスク対リワードの面でやや投資妙 味が増すと思われる。金融政策の正常化を待ちながらリターンを得られ る」と説明した。

経済の改善が続くならば、10年債利回りは年末までに2.75-2.8% に上昇する可能性があると同氏はみている。2年債利回りは年末まで に70bpに上昇する可能性があるという。

FOMC声明は「労働市場の状況はやや一層改善した」としながら も、「労働力の活用はなお極端に低い状態にある」と指摘した。インフ レについては「委員会の中長期的な目標を下回る状況が続いている」と の見解を示した。7月の声明では「委員会の中長期的な目標にやや近づ いた」と指摘していた。

FOMCが今回初めて発表した17年末時点の政策金利予測は3.75% だった。これは長期的に到達すると見込まれる緩和でも引き締めでもな い政策金利の中立水準とみなされる。6月時点も予想中立水準は3.75% だった。

金利は急な軌道に

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)で債券リサ ーチの責任者を務めるジェニファー・ヴェイル氏は「相当な期間という 文言は削除しなかったが、いったん利上げが始まれば、金利は市場が思 っているよりも急な軌道を描くかもしれない」と分析。「労働市場のス ラックに関する部分で、語調が和らげられなかったことは興味深く、あ る意味ショッキングでもある」と続けた。

FOMC参加者の長期成長率予測(中心傾向、以下同じ)は2 -2.3%増、6月時点は2.1-2.3%増だった。前年は米国経済の潜在成 長率を2.2-2.5%程度と予測していた。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の米国債ストラテジー責任者、デービッド・エーダー氏は「市場を不安 にしたのは予想分布図だった」と指摘。「イールドカーブをみればそれ が良く分かる」と続けた。

原題:Treasuries Drop as Yield Curve Flattens on Fed Rate Forecasts(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger.

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