債券は下落、円安進行や株高警戒で売り優勢-日銀買いオペが下支え

債券相場は下落。米連邦公開市場委 員会(FOMC)を受けた外国為替市場での急激な円安進行や、国内株 式相場の堅調推移を背景に売りが優勢となった。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比15銭安の145円46銭 で開始。徐々に水準を切り上げ、午後の取引開始後には3銭高まで上昇 した。しかし、その後は円安や株高の加速から水準を切り下げ、一時 は21銭安まで下落。終値は20銭安の145円41銭だった。

みずほ証券の早乙女輝美シニア債券ストラテジストは、「円安が進 み1ドル=108円台が効いている。これほど急速に円安・ドル高が進む と思っていなかった」と指摘。「円安で輸入物価に上昇圧力が掛かり、 インフレ圧力になることを考えると、追加緩和観測で相場の上値を追い かけづらくなる」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは前日引け値より1ベーシスポイント(bp)高 い0.56%で開始し、午前は同水準で推移した。午後に入るといった ん0.55%を付けた後、0.57%に上昇している。

17日に入札された20年物の150回債利回りは1.415%で開始し、午後 に入ると1.405%まで戻したが、その後は1.5bp高い1.42%。30年物の44 回債は1.685%で始まり、いったんは1.68%まで戻した後、午後3時ご ろからは1.5bp高い1.69%に上昇した。

海外勢の売り継続との見方

東京外国為替市場で円は一時1ドル=108円87銭と2008年9月以来 の水準に下落した。FOMCが発表した参加者の予測で15年末の政策金 利見通しが引き上げられたことが影響している。東京株式相場は大幅 高。TOPIXは前日比1%高の1317.91で引けた。日経平均株価は8 カ月ぶりに1万6000円台を回復した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、国債大量償還や日銀の 貸し出し支援オペを受けて債券需給は良いとしながらも、「米国金利や ドルの動きを無視して動けるほど、上値を追いかけるテーマがあるわけ でもない」と指摘。「FOMCはあくまでもきっかけにすぎず、米金利 の上方修正やドル高は来月に向けてまだ余地を残しているとみられ、海 外勢による日本国債、スワップの売りも続きそう」と言う。

FOMCは16、17日に開催した定例会合後に声明を発表し、景気が 緩やかに拡大しインフレ率は目標を下回っていると指摘した上で、資産 購入が終了した後も事実上のゼロ金利政策を「相当な期間」維持する方 針をあらためて示した。

日本銀行がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額5300億円) の結果によると、残存期間5年超10年以下、10年超25年以下、25年超の 3本とも応札倍率が前回より低下した。市場で売り圧力が弱まっている ことが示されたことで、午後の取引開始後に相場が上昇に転じる場面が あった。

みずほ証の早乙女氏は「日銀の国債買い入れオペの結果は悪くなか った。だが海外市場の金利調整圧力を恐れている感じ」と話した。

--取材協力:池田祐美.

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