8月貿易収支26カ月連続赤字-輸出入とも減少で基調変わらず

輸出から輸入を差し引いた貿易収支 の8月速報は、26カ月連続の赤字となった。輸出入とも減少に転じたこ とから、赤字額は前年同月に比べ2カ月連続で減った。

財務省が18日発表した貿易統計によると、貿易赤字額は前年同月 比2.4%減の9485億円だった。輸出は1.3%減の5兆7060億円と2カ月ぶ りに減少。輸入は1.5%減の6兆6545億円と3カ月ぶりに減った。

ブルームバーグ・ニュースの調査による貿易赤字の予想中央値は1 兆289億円。輸出は2.6%減、輸入は1.2%減だった。

輸出はペットボトルやポリエステル繊維の材料となる有機化合物 (パラキシレン)の世界的な供給過剰による市況悪化で21%減と急減し たほか、自動車も2.9%減だった。輸入は豪雨の影響で平均気温が下が り、原粗油など鉱物性燃料が2.6%減と3カ月ぶりに減少。新製品発売 を控えたスマートフォン(多機能携帯電話)も21%減となった。

地域別にみると、米国向けが4.4%減と2カ月ぶりに減少した。自 動車が14%減と5カ月連続で減少したのが主な要因。同省は、今年2月 にホンダのメキシコ工場が稼働するなど生産拠点の海外進出が背景にあ ると説明している。中国向けは有機化合物が33%減と大幅に落ち込み、 全体で0.2%減と17カ月ぶりに減少に転じた。

輸入は消費増税前の駆け込み需要の反動減で5月に一時的に減少し たものの、円安や東日本大震災後のエネルギー輸入の高止まりの影響で 6月以降増加に転じていた。輸出は7月に3カ月ぶりのプラスとなった が、輸入を超える勢いはなく貿易赤字は定着している。

経済協力開発機構(OECD)の玉木林太郎事務次長兼チーフエコ ノミストは17日のブルームバーグニュースのインタビューで、世界経済 がリーマンショック以前の水準まで回復していないことが輸出低迷の最 大の理由とした上で、「円安になればいきなり輸出が伸びるという構造 にはなっていない」との認識を示していた。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは貿易統計発表後 のリポートで、輸出額よりも輸入額が大きい傾向が続いており、輸入の ほうがドル建て取引の比率が高いことから「目先の貿易赤字は円安進行 で拡大圧力が掛かりやすい」と指摘。その上で、輸出の先行きについて 円安が進んでも貿易赤字の縮小は困難との見方を示している。

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