【コラム】アリババのIPO、株売りの嵐を呼ぶ理由

電子商取引サイト運営で中国最大 手、アリババ・グループ・ホールディングの新規株式公開(IPO)は 史上最大規模になる可能性がある。公開株を買うための資金をどこから 持ってくるかによるが、同IPOは株式投資家に良からぬサプライズを もたらす可能性をはらんでいる。

公開株を買うための資金の出所は様々だ。借り入れもあるだろう し、温存していた現金を使う場合もあるだろう。そして、他の投資資産 を売って資金を確保する投資家もいるはずだ。IPOの規模が大きけれ ば、その分金融システムにおける債務規模や株式市場全体の見通しに与 える影響は大きくなる。特に株式を公開する企業と保有株を売り出す提 携企業が、調達した資金を株式や債券に還流させるのではなく、長期的 な投資に使うのであれば、その影響はなおさら顕著になる。

アリババに関心を抱く投資家は非常に多い。投資家説明会からうか がわれる第一印象としては、募集よりはるかに多い需要がありそうだ。 実際、ブルームバーグ・ニュースはアリババがIPOの仮条件を引き上 げ、これに基づいたIPO規模は拡大すると報じた

IPO前の市場で飛び交ううわさ話を鵜呑みにしてはならない。投 資家には初期段階での関心の高さを大げさに語る動機がある。幹事の銀 行に十分な株式を回してもらう必要があるからだ。そして銀行として も、規模は大きい方が良い。手数料収入が増えるからだ。IPO企業も できるだけ多くの資金を確保したい。

とは言ってみたものの、アリババのIPOは異例の規模になり、市 場全体へのインパクトが予想される。220億ドルから240億ドル(約2 兆3600億円から2兆5700億円)ということであれば、史上最大規模とな るのは確実だ。だからこそ、アリババ株を買うための資金がどこから来 るのかが重要になる。

下押し圧力、長期化も

リスクを受け入れる姿勢と能力のある投資家が健全で持続可能な借 り入れを増やし、それによって段階的に資金が流入するのであれば市場 への影響は最小限に抑えられる。休眠資金を投入する場合も、市場全般 への影響は軽くて済む。この2種類の資金の流れはいずれもありそうだ が、主流派ではないようだ。

アリババ株を買うために投資家が保有資産を売りに出せば、市場に は即座に下押し圧力がかかるだろう。大半の投資家が実際に何株を買え るのかまだ分からないため、保有資産の売却はIPOプロセスがかなり 進むまで実現しない。この相乗効果はかなり大きいと考えられる。

だからアリババのIPOが直ちに市場の売り浴びせにつながって も、驚いてはいけない。それがどれほど長期化するのか、予想するのは もっと難しい。出遅れた投資家が押し目を拾おうと乗り込んでくるかど うかで違ってくる。こうした後発組参入という現象は、今の市場が経済 のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)で正当化される水準をかなり超 えて上昇している要因になっている。

(モハメド・エラリアン氏は、ブルームバーグ・ビューのコラムニスト です。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Why the Alibaba IPO Could Trigger a Selloff: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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