ビール飲み惨状忘れることも困難に-イスラム国の脅威で

イラクの首都バグダッドではビール を飲むのを楽しみにしている人々がひどい目に遭っている。イスラム教 スンニ派の過激派組織「イスラム国」がイラク北部の大部分を掌握し、 住民らは既に戦闘に巻き込まれ迫害を受けているが、アルコール類が禁 止されて以降、ビール価格も高騰している。

バグダッドに向けて輸送される酒類はイスラム国が掌握している地 域を避け、代わりにシーア派武装集団の検問所を通り抜けなければなら ない。取引業者によれば、検問所では武装集団がトラック1台ごとに金 銭を要求する。オランダのビール「ハイネケン」の価格は1缶1ドル (約110円)から5ドルに、人気の密造ウイスキーは1本15ドルから50 ドルに跳ね上がっている。

「酒を飲むことは、騒乱状態を忘れる唯一の方法だが、酒はとても 高価になっている」。ビジネスマンのレイス・ナドフム氏(42)はバグ ダッドからの電話インタビューでこう語る。

国際テロ組織アルカイダから分離したイスラム国はイラク北部を含 む地域を制圧し、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家の樹立を 宣言。伝統的に酒類を販売していたキリスト教徒の居住地区を残虐行為 によって支配している。イスラム教では飲酒は禁止されているものの、 バグダッドでは過去に飲酒がさかんだった時期もあった。

「治安情勢が悪化し顧客がますます減っている。顧客の多くが国外 に避難した」。酒店を運営するキリスト教徒のサードさんはそう述べ た。安全上の理由で名字を明らかにするのを控えた。

酒類販売業者のアンワー・ヤジディ氏はバグダッドからの電話イン タビューで、近年、既に武装集団の標的となりつつある酒類販売業者 は、バグダッドに向かう道路を制圧しているシーア派武装集団のリーダ ーたちにトラック1台を通過させるごとに1万5000ドルを支払っている ことを明らかにした。

原題:Islamic State Makes Drink-to-Forget Hard for Baghdad Beer-Lovers(抜粋)

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