デング熱、世界での流行が日本にも広がる-渡航者増も一因

熱帯地域に広く見られるデング熱の 国内感染が8月、約70年ぶりに確認された。ウイルスは海外渡航者によ り持ち込まれた可能性が高い。

厚生労働省は、海外でデングウイルスに感染した人が国内でヒトス ジシマカに刺され、そこから他の人に感染が広がったとみている。報告 された国内感染者の数は先週時点で、100人を超えた。

デューク大学とシンガポール国立大学が共同で運営するメディカル スクールの新興感染症プログラムのドゥエイン・ガブラー教授は、デン グ熱は過去30年間に欧州や米国、中国など世界各地で流行しており、そ れが日本にも広がったと分析する。途上国の都市化や海外渡航者の増加 も流行拡大の一因となっている。

ガブラー教授は「年間数千万人が海外に渡航しており、デング熱が 世界各地で流行するのはそのためだ」と説明した。

世界保健機関(WHO)によれば、今では毎年世界各地で5000万- 1億人超がデング熱に感染しているほか、デング熱が風土病となってい る国々では合計30億人が生活している。デングウイルスは蚊を媒介して 感染し、人から人へは直接感染しない。感染すると関節の痛みや高熱と いったインフルエンザに似た症状が出る。

武田薬品工業やフランスのサノフィ、米メルクなどの製薬会社がワ クチンの開発に取り組んでいる。

日本国内の状況

感染症医の高山義浩氏は日本でのデング熱の状況について、「毎年 国内で発生していたが、診断されていなかったのだろう」とし、「日本 の医師のほとんどがデング熱を知らず、疑うことがない。疑わなければ 診断できない。また症状、所見に加え、同定検査ができる施設が少な く、デング熱の診断基準を満たすことが難しい」と指摘。過去、年間 約200件のデング熱が報告されてきたが、報告されていないケースも含 めると1000件以上あった可能性があるとの見方を示した。

米疾病対策予防センター(CDC)によれば、デング熱はプエルト リコのほか、中南米や東南アジア、太平洋諸島で広く見られる。

高山医師は「デング熱の流行地域である東南アジアとの交流は活発 になってきている、日本でデング熱のアウトブレイクが起きたとしても おかしくない状況だった」とし、「診断したのは相当に熱心な医師た ち。よく疑い、検査を提出したと思う」と述べた。

原題:Dengue Fever in Japan Shows Global Spread Through Travelers(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE