【今日のチャート】年金マネーが海外投資拡大、円売り加速へ-野村証

野村証券によると、年金積立金管理 運用独立行政法人(GPIF)の運用改革をきっかけに、民間の年金資 金も外国証券に向かう兆候がみられ、海外ヘッジファンドによる円売り 加速につながる可能性がある。

今日のチャートは、上段に財務省発表の対外・対内証券売買契約等 の状況(月次・指定報告機関ベース)に基づき、主に年金資金の動向を 反映するとされる銀行等の信託勘定を通じた対外証券投資の推移を示し た。8月には海外の株式と中長期債向け投資が合わせて1兆360億円の 買い越しとなり、2009年1月以来の水準に膨らんでいる。

下段にはドル・円相場と、米商品先物取引委員会(CFTC)が発 表するシカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM) のドル・円先物取引非商業部門の円ポジション。円の売り越しは2日ま での週に11万7308枚と、1月以来の水準に拡大。相場は12日に一時1ド ル=107円39銭と、08年9月22日以来の水準までドル高・円安が進行し た。

野村証金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、 「公的年金が国内債偏重からの脱却を打ち出す中で、民間の年金も同じ 方向感で動いている公算が大きい」とし、財務省のデータは「年金マネ ーの外貨シフトが急加速している」状況を表していると指摘。その上で 、海外のヘッジファンドが日本の公的年金がすでに資金を動かしている との解釈から、「乗り遅れまいと、円売りを加速させるシナリオもある 」と言う。

GPIFの運用資産額は4-6月期末時点で127兆円を超え、年金 基金としては世界最大の規模になる。現行の基本ポートフォリオで定め る資産構成の目標値は国内債が60%を占めており、国内株や海外の株式 ・債券などの比率を拡大させる方向で検討している。ブルームバーグ・ ニュースが5月に実施した市場調査の中央値では、国内債の比率が40% に引き下げられる一方、外国資産は、株式が12%から17%、債券が11% から14%に増加すると見込まれていた。

池田氏は、野村証ではGPIFの資産構成見直しに伴い、今後15兆 円に相当する外国証券の購入が必要になると試算。日本の貿易赤字など も含めて、「円の需給バランスはかなり一方的に円売りに向かっている 」とし、今年の年末には112円までドル高・円安が進むと予想している 。

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