米国債:8日ぶりに上昇、鉱工業生産指数の予想外の低下で

米国債相場は8営業日ぶりに上昇。 8月の鉱工業生産指数が予想外に低下し、7カ月ぶりのマイナスとなっ たため、買いが入った。

連邦公開市場委員会(FOMC)が17日に発表する声明で、低金利 を「相当な期間」維持するとの文言を削除するとの思惑から、10年債利 回りは7月以来の高水準に達する場面もあった。フェデラルファンド (FF)金利先物市場の動向によると、FOMCが政策金利を2015年7 月までに引き上げる確率は58%と、8月末の51%から上昇している。

ジェフリーズ・グループのエコノミスト、トーマス・サイモンズ氏 は「鉱工業生産が発表されると相場がわずかに上昇した。現在は FOMCの動向が全てだ。FOMCメンバーの予測分布図と、『相当な 期間』という文言が削除されるかどうかに注目が集まっている」と指摘 した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.59%。同年債(表面利率2.375%、2024年8 月償還)価格は6/32上げて98 1/8。利回りは一時2.62%と、7月7日以 来の高水準をつけた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏は「最終的にFOMCは引き締めに向かい、こ れまでの超緩和的な姿勢から距離を置く必要が出てくるだろう」と予 想。「利回りは最も低い水準から離れており、ある種の緩衝帯があるは ずだ。期間が長い国債には支援材料となるだろう」と述べた。

5年債

5年債利回りは1.79%。一時は1.83%と、2013年9月6日以来の高 水準を付けた。

エドモンズ氏は5年債について「現在、割安感があると考えられて いるようだ」と指摘した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 米国債の年初からのリターンは3%。13年はマイナス3.4%だった。今 月に入ってからはマイナス1.24%となっている。

FOMCは16日から2日間の日程で定例会合を開催する。ボストン 連銀のローゼングレン総裁らからは、低金利を「相当な期間」維持する との文言の削除を検討するべきだとの意見が出ている。

FOMCは月間の資産購入額を7月の350億ドルから8月には250億 ドルに縮小。年末までに終了するペースで削減を続けている。米金融当 局の保有資産は4兆4200億ドルに膨れ上がっている。08年には1兆ドル 未満だった。

「何らかの変更」

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は 「注目はFOMCで、私の予想ではフォワードガイダンスに何らかの変 更がある」と指摘した。

同氏は10年債利回りが年末まで2.50-2.75%のレンジで推移すると 予想している。ブルームバーグがエコノミストとストラテジスト71人を 対象に実施した調査によると、年末の予想は2.79%となっている。

オプション取引の動向によれば、FOMCメンバーが示す2017年末 時点の政策金利予想は、FF金利先物17年12月物が示唆する2.73%を大 きく上回るとみられている。

アクシオム・マネジメント・パートナーズの元マネジングディレク ター、スタン・ジョナス氏は、金融当局者の17年12月時点の予想分布図 が3.25%前後あるいはもっと高くなるとオプションのトレーダーらは確 信しているようだと指摘した。

原題:Treasuries End Longest Skid in a Year on U.S. Production Decline(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、David Goodman、Liz Capo McCormick、Matthew Boesler.

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