【今週の債券】長期金利0.6%台乗せも、FOMCや円安進行に警戒感

今週の債券市場で長期金利は3カ月 ぶり高水準の0.6%台乗せを試すと予想されている。米連邦公開市場委 員会(FOMC)や円安進行に対する警戒感が強いことが背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが12日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.52-0.62%となった。0.6%台に上昇すれば6月17日以来とな る。前週末終値は0.57%だった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は16、17日にFOMCを開催す る。ブルームバーグ予測調査によると、市場からの資産買い入れの縮小 を続ける見通し。一方、数人のFOMC参加者からは声明で利上げに関 するフォワードガイダンスの文言を見直す必要があるという指摘が出て いる。早期利上げ観測を背景に米金利上昇や外国為替市場で円が6年ぶ りの水準に下落している。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「FOMCを大過なく 通過できても、来月には再び不安がぶり返そう。相場は年末に向けて、 小さな波動を繰り返しながら、徐々に値を切り下げるとみている。基本 的な原動力は米国利上げの織り込みとドル高であり、日欧の金融政策観 は通貨安によって受動的に変化していく」とみている。

17日に20年利付国債入札が実施される。償還日が前回債より3カ月 延びるため、回号は150回債となる。表面利率(クーポン)は前回債か ら0.1ポイント低い1.4%となる見込み。相場が下落すれば1.5%となる 可能性もある。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。

週末に向けて買い

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、 「入札やFOMCまでは弱気だが、その後は出尽くし感が出て下げ止ま るとみている。18日に英国でスコットランドの独立を問う住民投票やシ リアの空爆など地政学的リスクもあり、週末に向けて買いが入る可能性 もある。国債大量償還資金があり、保険会社・銀行などがポジションを 再構築する買い余力はあると思う」と話した。

市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先物は中心限月の12 月物、10年国債利回りは新発物の335回債。

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤シニアファンドマネジャー

先物12月物145円10銭-145円60銭

10年国債利回り=0.55%-0.60%

「FOMC声明で多少の文言修正あっても、あくまでも実体経済次 第との立場は変わらない。米債相場は利上げ前倒しの懸念で売り込まれ ただけに、FOMC後に下げ渋る可能性が高い。国内債は一進一退を繰 り返した後、週後半にかけて買いがにじみ出てきそう。長期金利0.6% を背にじわりと買いが入るとみている。地政学リスクは今後もくすぶり 続ける可能性が高く、国債大量償還もあって潜在需要は潤沢だ」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

先物12月物144円85銭-145円70銭

10年国債利回り=0.54%-0.62%

「FOMCの結果次第で大きく振れるが、いったん0.6%台に乗せ てもおかしくない。米金利上昇が止まるか、早期利上げ観測で一段と上 昇するかは結果次第。FOMCの結果発表前の17日に20年債入札がある が、やりづらい感じ。クーポンは1.4%か。相場が売り込まれて1.5%の 可能性もないわけではない。20年債は、クーポンが徐々に低下してお り、1.4%では物足りなさがあるだろう」

◎マスミューチュアル生命運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

先物12月物145円15銭-146円85銭

10年国債利回り=0.52%-0.59%

「焦点はFOMC。FRB議長の発言を市場がどう受け取って動く かの問題であり、利上げについて具体的な内容が出てくるとは思えな い。米国債はタカ派的な発言をある程度織り込んでいるとみており、 米10年債利回り2.6%台では買いが入るのではないか。10年債も0.60% に接近したところで買い戻される可能性が高い。一方、20年債は入札を 無難に通過しても1.4%台半ばまで調整する可能性がある」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎.

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