米シティの「ダイナースクラブ」に関心-大手行が応札見通し

米シティグループによる日本の個人 向け銀行業務などの売却で、大手邦銀がシティ傘下のダイナースクラブ カードの事業取得に関心を示している。事情に詳しい複数の関係者への 取材で明らかになった。

三井住友、みずほ、三菱UFJのメガバンクグループや、三井住友 トラスト、新生銀行などの大手行は12日に行われる第一次入札に応札す る見通しだ。関係者によると、シティはシティバンク銀行の個人向け業 務を単独で、またはダイナースなどカード事業とのパッケージでの売却 を打診しているもようだ。

国内銀行はシティバンク銀が持つ外貨預金に加え、ダイナースを含 むシティグループの日本でのカード事業や、そのカードホルダーである 富裕層の顧客資産、金融取引などに関心を持っている。シティは1902年 に日本に進出、個人・法人向けのバンキング、消費者金融、カードや証 券ビジネスを推進してきた。

BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、ダイナースにつ いて「日本ではステータスとブランド価値があり、収益性も他のクレジ ットカードより高いと思われる」とし、日本のカード事業は「数少ない 成長分野の一つ」と分析。また今回の案件ではシティ銀の外貨預金のほ か、「キャッシュリッチな顧客基盤」を取り込むことができると国内銀 行による買収のメリットを指摘した。

シティの福井エリサ広報担当は入札の詳細などについてコメントを 控えた。三井住友、みずほ、三菱UFJ、三井住友トラスト、新生銀の 各広報担当者もコメントを控えている。

「NYのレストラン」

ダイナースなどカード事業を手掛けるシティカードジャパンは1977 年に設立。本社は東京の新宿イーストサイドスクエアにあり、東京、名 古屋、大阪、那覇に事業所を持つ。

ダイナースクラブは1950年、あるアメリカの実業家とその友人の弁 護士の2人により設立された。きっかけはニューヨークのレストラン。 財布を忘れた実業家は自宅に電話して夫人に現金を届けてもらったが、 食事を終え財布を待つ間、気まずい思いをしたことから同席した友人に 相談、2人で1万ドルずつ出し合い、ツケで食事ができるクラブをつく ることにしたという。

食事をともにする人という意味のダイナースは日本では1960年に創 立された。収入、生活の安定性、将来性を重視し社会的信用の高いこと が入会審査の方針になっていた。日本でプラスチック製のカードを発行 し、一番初めに使い始めたのはダイナースクラブだった。

シティの広報担当者はダイナースの日本での会員数をはじめカード 事業の収益など詳細について回答できないとしている。一方、銀行事業 を手掛けるシティバンク銀の14年3月期純利益は13億4000万円。6月末 の預金量は3兆8556億円で、全国に33店舗を構えている。

--取材協力:谷口崇子.

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