日本株5日続伸、円安で自動車など輸出買い-1万6000円迫る

東京株式相場は5日続伸。ドル・円 相場が直近の円安水準を更新し、業績期待からトヨタ自動車や富士重工 業など自動車株、機械株といった輸出関連中心に買われた。医薬品や電 力、銀行株も堅調。

半面、3連休や海外の重要イベントを前に相場全般の上値は限定 的。連騰による短期的な過熱感からの売りも出て、建設株のほか、証券 や保険など金融株の一角が安い。

TOPIXの終値は前日比2.48ポイント(0.2%)高の1313.72、日 経平均株価は39円9銭(0.3%)高の1万5948円29銭。いずれも直近の 高値を上回った。

アムンディ・ジャパンの高野雅永チーフストラテジストは、「ドル 高が誘発する他通貨の下落は、輸出競争力の回復とデフレ懸念の払しょ くという2点から、現地通貨ベースでの資産価格の上昇に追い風にな る」と指摘。足元の円安傾向の鮮明化は、「日本株に確実に効いてく る」との見方を示した。

きょうのドル・円は一時1ドル=107円39銭と、直近の円安値を更 新。円安基調による企業業績の上振れ期待が高まっている。業種別上昇 率トップの輸送用機器株を主導したのはトヨタ。シティグループ証券で は為替前提を100円から105円に変更、今期営業利益予想を増額し、目標 株価を7700円へ上げた。富士重については、ドイツ証券が投資判断「買 い」を継続。ドル・円の1円上下で営業利益は約95億円の影響を受ける とし、国内自動車メーカーで感応度が最高水準と指摘した。

一方、日本銀行の黒田東彦総裁は11日夜のテレビ東京番組に出演、 「経済情勢によって必要があれば、金融政策で対応する」とし、「追加 緩和でやれることは、もうないということはない」と述べた。また、 「円安が経済にマイナスになることはない」との考えも繰り返した。 「世界の投資家は中央銀行総裁の発言に敏感になっている。今まで追加 緩和という言葉を使わなかった黒田総裁が意図して使ったことで、何か 行動するというのが市場のコンセンサスになっている」と、セゾン投信 運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは言う。

為替に対する日経平均の出遅れ感

この日の日経平均は一時1万5984円と、心理的節目の1万6000円に 迫った。カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは、 「昨年末に1万6320円を付けた時点で1ドル=105円40銭だったことを 考えると、日経平均は為替に比べ出遅れている。1万6000円をつけても おかしくない」と話す。

もっとも、午後終盤は伸び悩み。日経平均上げ幅の約22円(56%) をソフトバンク1社が占める偏りもあった。東証1部の騰落レシオ が120%を超すなどテクニカル分析上の過熱感に加え、来週の米連邦公 開市場委員会(FOMC)を前に売りも出やすかった。

東証1部33業種は輸送用機器、医薬品、機械、電気・ガス、倉庫・ 運輸、銀行、ガラス・土石製品、精密機器、ゴム製品、食料品など15業 種が上昇。石油・石炭製品、建設、鉱業、証券・商品先物取引、サービ ス、保険など18業種は安い。売買代金上位ではソフバンク、トヨタ、ア ステラス製薬、富士重、三井不動産、クボタ、ニコンが上昇。NTTや 住友不動産、富士通、コロプラ、大和ハウス工業、大林組は下げた。

東証1部の売買高は27億4729万株、売買代金は3兆1195億円。値上 がり銘柄数は765、値下がりは913。きょうの取引開始時は株価指数先 物・オプションの特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データ の試算では日経225型が1万5915円98銭と、日経平均の前日終値を6 円78銭上回った。

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