米国に海外の景気減速が恩恵-原油安や利回り低下で

世界の痛みは米国の利益となってい る。欧州をはじめとする各国・地域の成長の伸び悩みが、米国でのエネ ルギー価格の下落や金利低下につながっているためだ。

世界的に潤沢な原油供給を背景に全米ガソリン価格は6月初め以 降24セント値下がりした。一方、欧州での金利低下に追随する形で、10 年物米国債利回りは10日に2.54%と、年初の3.03%から大幅に低下して いる。

ディシジョン・エコノミクスのアレン・サイナイ社長兼最高経営責 任者(CEO)は「米国が黄金のように輝いて見える」と話す。同社長 は2015年6月末までの1年間の米経済の成長率が約3.5%に達し、S& P500種株価指数が今年末までに2100を付けると予想。10日のニューヨ ーク市場で同指数は1995.69で取引を終えた。

過去40年間にわたって米国と世界の経済動向を見守り続けているサ イナイ社長は、現状を1990年代後半の情勢になぞらえる。当時はアジア 中に広がる金融危機が世界の経済成長を損なう中、「米国に投資の波が 押し寄せ」、エネルギー価格は急落したと同社長は指摘する。

そして今、海外からの追い風はイエレン議長をはじめとする米連邦 準備制度理事会(FRB)当局者に恩恵をもたらしている。原油安は米 国でのインフレ抑制を支援する一方、米国債利回りの低下は成長と失業 者数減少を後押しする。

海外の成長鈍化がユーロ圏崩壊や中国経済のハードランディングと いった懸念の再燃を招けば、こうした楽観的な予想も暗転する。こう話 すのはJPモルガン・チェースの世界経済担当ディレクター、デービッ ド・ヘンズリー氏だ。ただ同氏はこのようなシナリオが現実化するとは 見込んでいないと付け加えた。

原題:U.S. Gets Lift From Slow Growth Abroad in Replay of Late 1990s(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy、Jeanna Smialek、Nabila Ahmed.

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