シングルモルト1つの国で-スコッチウイスキー業者独立反対

英スコットランド西岸からフェリー で2時間のアイラ島。この島のウイスキー蒸留所、キルチョマン・ディ スティラリーの倉庫に掲げられた横断幕には「Better Together(統一 賛成)」と書かれ、スコットランド独立への反対が表明されている。

イングランドとの307年間にわたる統合が崩れる可能性など「考え るにも値しない」。キルチョマンの創業者でマネジングディレクターの アンソニー・ウィルス氏は板張りの試飲室でそう語る。

アイラ島には、世界最高級のウイスキーの1つであるスコッチウイ スキーを製造する蒸留所が8カ所ある。この島は、1週間後に迫ってい る住民投票につながった議論の矛盾点を浮き彫りにしている。つまり、 タータンチェック(格子柄)や羊の内臓を羊の胃袋に詰めて煮るハギス と呼ばれる伝統料理と並んでスコットランドを象徴するスコッチウイス キーのメーカーのうち、独立を支持している業者を見つけるのが難しい という現状だ。

スコッチウイスキー協会によれば、スコットランドの蒸留所109カ 所の昨年のウイスキー輸出総額は43億ポンド(約7440億円)と、石油に 次ぐ第2の輸出品だ。ウイスキーはスコットランドの食品・飲料輸出 の85%を占める。業者の多くは英国の一部にとどまる方が良いと考えて いる。

ブルイックラディ・ディスティラリーのサイモン・コフリン最高経 営責任者(CEO)は「もちろん反対票を投じるつもりだ」と話す。コ フリン氏は14年前に同社を買収して事業を立て直し、2012年にフランス の高級ワイン・蒸留酒メーカー、レミー・コアントローに5800万ポンド で売却した。

コフリン氏は自身が蒸留した7年物のシングルモルトウイスキーが 入ったタンブラーに正確に計量した水を注ぎながら「ウイスキー事業は うまくいっており、安定している。世界市場は拡大している。率直に言 って、それをリスクにさらすようなことには賛成しない」と述べた。

原題:Scotch Whisky Makers Say Single Malt Is Best in a Single Country(抜粋)

--取材協力:Matthew Boyle.

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