米国株:S&P500が小幅続伸、原油の戻り好感-ダウ小幅安

米株式市場ではS&P500種株価指 数は小幅ながら続伸。一時の下げを埋める展開となった。国際情勢の緊 迫や利上げ時期をめぐる懸念から売りが先行したが、原油相場の戻りを 背景に買いが入った。

S&P500種のエネルギー株指数は0.1%高。一時は1.2%下げたも のの、原油相場が8カ月ぶりの安値から戻したため、上げに転じた。バ イオ製薬のセルジーンなどヘルスケア株が安い。決済ネットワーク大手 のマスターカードは1.3%安。欧州連合(EU)内でのカード決済手数 料をめぐる競争問題裁判で敗れたことが悪材料。

一方、ヨガウエア販売会社ルルレモン・アスレティカは14%高。四 半期利益が予想を上回った上、通期の見通しを引き上げたことが好感さ れた。

S&P500種株価指数は0.1%未満高い1997.45で終了。ダウ工業 株30種平均は19.71ドル(0.1%)安の17049.00ドルで終えた。

GW&Kインベストメント・マネジメントの株式ディレクター、ダ ン・ミラー氏は「今年に入って相場は非常に堅調で、時折は少し冷却期 間が必要なことから、相場は狭いレンジ内にとどまっている」と指摘。 「地政学的なイベントはもちろん常に市場を神経質にさせる」と続け た。

S&P500種は週初からは0.5%下落。利上げ時期をめぐる不安が重 しとなっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は債券購入プログ ラムを縮小し、利上げ開始の時期を探る中、景気動向を見極めようとし ている。次回FOMC会合は16-17日。

失業保険申請

先週の米週間新規失業保険申請件数は、市場予想に反して前週比で 増加。2カ月ぶり高水準となった。先週分の統計にはレーバーデーの祝 日が含まれる。労働省の広報担当は、祝日があると調整は困難になると 説明した。

EUが最新の対ロシア制裁パッケージを12日に発動すると発表した ため、売りが先行した。EU加盟28カ国の代表は、ロシアの石油探査・ 生産への支援やロシア国営の防衛・エネルギー関連企業の域内での資金 調達を禁じる制裁を発動させることで合意した。オバマ米大統領はロシ アへの追加制裁でEUと協調していると語った。

オバマ大統領は10日夜の国民に向けた演説で、イラクとシリアで勢 力を増すイスラム過激派「イスラム国」を打倒するため、「容赦ない」 軍事作戦を約束した。サウジアラビアやヨルダンなど中東の同盟国が非 常に重要な役割を担うと述べた。

「来年は近づいている」

パイオニア・インベストメント・マネジメントの運用担当者、ジョ ン・キャリー氏は「決算発表シーズンではないため、マクロの出来事や 地政学リスクに注目が集まっている。それしか材料はない。来年の利上 げの可能性が引き続き意識されている。来年は近づいている」と述べ た。

S&P500種の10セクターのうち7セクターが上昇。ヘルスケア株 は0.3%下げた。

原題:S&P 500 Erases Losses as Oil Rally Offsets Geopolitical Concerns(抜粋)

--取材協力:Jonathan Morgan.

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