9月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル買い優勢-スコットランド懸念後退でポンド高い

ニューヨーク外国為替市場では、ドル買いがやや優勢。ドル指数 は14カ月ぶり高水準に上昇した。市場では、米金融当局が来年半ばまで に利上げするとの観測が広がっている。

ポンドは主要16通貨に対して上昇。スコットランドの英国からの独 立の是非を問う住民投票を1週間後に控え、最新の世論調査では賛成派 が反対派を下回った。カナダ・ドルは下落。カナダの住宅市場に減速の 兆候が示されたことが手掛かり。ドルは対ユーロでは一時値下がり。先 週の新規失業保険申請件数が予想外に増加したことに反応した。

インタラクティブ・ブローカーズ(コネティカット州グリニッチ) のチーフマーケットアナリスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は失業 保険申請について、「週ごとの変動は見られるだろう。だが労働市場は 回復しているというのが現実だ」と指摘。「1回の細かいデータで何か が変わるということはないだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は前日比0.3%上昇の1049.84。一時1049.94と2013年7月以来の高 水準を付けた。これで4日続伸となる。失業保険申請件数の発表後は一 時下げる場面もあった。

ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.2925ドル。一 時0.3%安となった。対円では0.2%高の1ドル=107円11銭。一時107 円20銭と、08年9月以来の高値を付けた。ユーロは対円で0.3%上げて 1ユーロ=138円43銭。

ポンド上昇、カナダ・ドル下落

スコットランドの英国からの独立の是非を問う住民投票は18日に行 われる。調査会社ユーガブが実施した最新の世論調査によれば、反対 が52%と、賛成を4ポイント上回った。これに反応し、ポンドは上げを 拡大した。週末に公表された同社の調査では賛成派のリードが示され、 ポンド相場が下落した。

グラスゴーのデーリー・レコード紙の委託でサーベーションが先に 実施した調査では、賛否を保留する有権者を除くと、反対が53%と賛成 の47%を6ポイント上回った。

ポンドは0.3%高の1ポンド=1.6255ドル。前日は一時1.6052ドル と、昨年11月以来の安値に下げた。

カナダ・ドルは4月以来の安値に下落。7月の住宅価格指数が前月 比横ばいとなったことなどが手掛かり。

カナダ・ドルは0.9%安の1米ドル=1.1035カナダ・ドル。一 時1.1059カナダ・ドルを付けた。

ブルームバーグ相関加重指数によると、カナダ・ドルは過去3カ月 間に2.5%上昇と、先進10カ国の通貨中で2番目に良いパフォーマンス となった。最も良かったのはドルで4.3%上昇。一方ユーロは0.9%安、 円は1.1%下げた。

日銀総裁

円は対ドルでほぼ6年ぶりの安値を付けた。日本銀行の黒田東彦総 裁は安倍晋三首相との会談で、量的緩和をしっかり続け、2%の物価安 定目標達成に向けて全力を挙げていることを説明したと述べた。総裁は さらに、「仮に目標達成に困難をきたす状況が出てくれば、ちゅうちゅ なく追加緩和であろうと何であろうと政策調整を行う用意がある」こと を首相に伝えたという。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週比1万1000件増の31万5000件。これは6月28日以来の高水準。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は30万件だ った。先週分の統計にはレーバーデーの祝日が含まれる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は06年以来となる政策金利引き 上げのタイミングを検討しており、金利の道筋に関するガイダンスを変 更するかどうか議論している。FOMCは来週16-17日に会合を開く。

フェデラルファンド(FF)金利先物動向によれば、FOMCが来 年7月までに少なくとも0.5%に利上げする確率は61%。8月末時点で は52%だった。

原題:Dollar Rises to 14-Month High on Fed Speculation; Pound Climbs(抜粋)

◎米国株:S&P500種が小幅続伸、原油の戻り好感-ダウは小幅安

米株式市場ではS&P500種株価指数は小幅ながら続伸。一時の下 げを埋める展開となった。国際情勢の緊迫や利上げ時期をめぐる懸念か ら売りが先行したが、原油相場の戻りを背景に買いが入った。

S&P500種のエネルギー株指数は0.1%高。一時は1.2%下げたも のの、原油相場が8カ月ぶりの安値から戻したため、上げに転じた。バ イオ製薬のセルジーンなどヘルスケア株が安い。決済ネットワーク大手 のマスターカードは1.3%安。欧州連合(EU)内でのカード決済手数 料をめぐる競争問題裁判で敗れたことが悪材料。

一方、ヨガウエア販売会社ルルレモン・アスレティカは14%高。四 半期利益が予想を上回った上、通期の見通しを引き上げたことが好感さ れた。

S&P500種株価指数は0.1%未満高い1997.45で終了。ダウ工業 株30種平均は19.71ドル(0.1%)安の17049.00ドルで終えた。

GW&Kインベストメント・マネジメントの株式ディレクター、ダ ン・ミラー氏は「今年に入って相場は非常に堅調で、時折は少し冷却期 間が必要なことから、相場は狭いレンジ内にとどまっている」と指摘。 「地政学的なイベントはもちろん常に市場を神経質にさせる」と続け た。

S&P500種は週初からは0.5%下落。利上げ時期をめぐる不安が重 しとなっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は債券購入プログ ラムを縮小し、利上げ開始の時期を探る中、景気動向を見極めようとし ている。次回FOMC会合は16-17日。

失業保険申請

先週の米週間新規失業保険申請件数は、市場予想に反して前週比で 増加。2カ月ぶり高水準となった。先週分の統計にはレーバーデーの祝 日が含まれる。労働省の広報担当は、祝日があると調整は困難になると 説明した。

EUが最新の対ロシア制裁パッケージを12日に発動すると発表した ため、売りが先行した。EU加盟28カ国の代表は、ロシアの石油探査・ 生産への支援やロシア国営の防衛・エネルギー関連企業の域内での資金 調達を禁じる制裁を発動させることで合意した。オバマ米大統領はロシ アへの追加制裁でEUと協調していると語った。

オバマ大統領は10日夜の国民に向けた演説で、イラクとシリアで勢 力を増すイスラム過激派「イスラム国」を打倒するため、「容赦ない」 軍事作戦を約束した。サウジアラビアやヨルダンなど中東の同盟国が非 常に重要な役割を担うと述べた。

「来年は近づいている」

パイオニア・インベストメント・マネジメントの運用担当者、ジョ ン・キャリー氏は「決算発表シーズンではないため、マクロの出来事や 地政学リスクに注目が集まっている。それしか材料はない。来年の利上 げの可能性が引き続き意識されている。来年は近づいている」と述べ た。

S&P500種の10セクターのうち7セクターが上昇。ヘルスケア株 は0.3%下げた。

原題:S&P 500 Erases Losses as Oil Rally Offsets Geopolitical Concerns(抜粋)

◎米国債:30年債入札が好調、利回り差が平均以上の需要呼び込む

11日行われた30年債入札(130億ドル)では需要が平均値を上回っ た。欧州債の低利回りを受けて、海外の投資家は高いリターンを求め た。

30年債入札の結果によると、投資家の需要を測る指標の応札倍率 は2.67倍で、過去10回の平均値2.4倍を上回った。米10年債利回りの他 の主要7カ国(G7)の国債に対する上乗せ幅は、2007年以来で最大と なった。この日の米国債相場はほぼ変わらず。一時は中東の政治的緊張 が高まるとの懸念から上昇した場面もあった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「入札は堅調だった」と 述べ、「欧州はまだ弱く、国債利回りも低いことが米国債に影響してい る。米国債は再び上昇する可能性があるかもしれないが、金融当局の発 表を前に飛びつきたくはない」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りはほぼ変わらずの2.55%。前日までの5営 業日で15bp上昇した。既発30年債利回りはほぼ変わらず3.28%。

G7の国債に対する米10年債の上乗せ利回りは86bp。9月5日 は2007年6月以来の高水準となる87bpをつけた。

入札結果

今週実施された3年、10年、30年債の入札で、海外の中央銀行を含 む間接入札者の落札比率は42.5%。応札倍率は2.91倍と、6月以来の高 水準となった。

30年債入札の最高落札利回りは3.24%。入札直前の市場予想 は3.267%だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数による と、30年債のリターンは年初から16%。米国債全体では3.4%となって いる。昨年の30年債リターンはマイナス15%、米国債全体は3.4%のマ イナスだった。

オバマ米大統領は10日夜の国民に向けた演説で、イラクとシリアで 勢力を増すイスラム過激派「イスラム国」を打倒するため、「容赦な い」軍事作戦を約束、米軍の空軍力で各国の地上部隊を支援すると表明 した。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏は、「国債はここ数日間売られたが、オバマ大統領の演説をき っかけに安全逃避の需要が拡大した」と述べ、「それでも市場では米金 融当局の動向が焦点となっており、来週の金融政策会合でどのようなメ ッセージを送るのかが注目される」と続けた。

グロース氏の見解

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は、10年物米国債利回り2.5%は「適正な評価」だ と述べた。

グロース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、10年 債は「まずまずのリターンを出している。重要なのは弱気相場になりそ うにないことだ」と述べ、「これは『ニュー・ニュートラル』に基づく 新しい見通しによるものだ。米金融当局が過去の水準まで政策金利を引 き上げることはないだろうと示唆されている」と続けた。

グロース氏は長期的に到達すると見込まれる緩和でも引き締めでも ない政策金利の中立水準を2%程度と、金融当局が示した見通しのおよ そ半分程度と予想している。

先物市場動向によると、当局が2015年10月までに政策金利を少なく とも0.5%に引き上げる確率は前日に84%だった。

原題:U.S. 30-Year Bond Sale Draws Above-Average Demand on Yield Gap(抜粋)

◎NY金:続落、7カ月ぶり安値-米早期利上げ観測で需要減退

ニューヨーク金先物相場は続落し、1月以来の安値となった。米金 融当局の利上げが早まるとの観測を背景に、インフレヘッジとしての金 買いが減退した。銀先物相場は14カ月ぶりの安値に下げた。

バードモント・キャピタル(パナマ)の運用担当者、スコット・ガ ードナー氏は電話インタビューで、「ドルが上昇し、かつ政治的な緊張 が和らいだ現在の環境で金に強気でいるのは難しい」と指摘。「金利の 上昇が予想される一方、インフレが引き続き抑制されていれば、金は買 われない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.5%安の1オンス=1239ドルで終了した。一時は1235.30 ドルと、中心限月としては1月23日以来の安値を付けた。

銀先物12月限は1.7%下げて1オンス=18.599ドル。一時18.57ドル と昨年6月28日以来の安値となった。プラチナ先物10月限は0.7%安の 1オンス=1370.70ドル。一時1368.10ドルと2月4日以来の安値。パラ ジウム先物12月限は1.9%下げて1オンス=833.20ドル。一時830.60ド ルと6月26日以来の安値。

原題:Gold Falls to Seven-Month Low as U.S. Rate Outlook Curbs Demand(抜粋)

◎NY原油:8カ月ぶり安値から反発、ロシアと西側の緊張で

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディ エート(WTI)は反発。ロシアと西側の緊張が高まったとの見方か ら、前日の8カ月ぶり安値から戻した。欧州連合(EU)がロシアへの 制裁強化に踏み切ったのを受けて、オバマ大統領は米国もこれに追随す るとの声明を発表した。

アイアイトレーダー・ドット・コムの創業者で市場担当チーフスト ラテジストのリチャード・イルチスジン氏(シカゴ在勤)は「新たな制 裁が科されることで、市場のボラティリティーはさらに高まる」と指 摘。「上げ相場のところにこうしたニュースが流れると、上昇に弾みが 付く」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比1.16ドル(1.27%)高の1バレル=92.83ドルで終了した。

原題:WTI Crude Rises From Eight-Month Low as Russia Tensions Escalate(抜粋)

◎欧州株:5日続落-企業業績まちまち、対ロシア制裁は12日発動

11日の欧州株式市場で指標のストックス欧州600指数は5日続落。 この日は英国のオカド・グループやネクストが発表した決算が強弱入り 混じったほか、欧州連合(EU)が最新の対ロシア制裁パッケージを12 日に発動すると発表した。

衣料小売りのネクストは4月以来の大幅下落。上期の税引き前利益 が市場予想に届かなかった。一方でオンライン食品販売会社のオカド は0.3%高。第3四半期売上高がアナリスト予想以上に伸びた。フラン ス・オランダ系航空会社エールフランス・KLMグループは1.9%の値 上がり。2013年から17年にかけての利益の伸び率目標が年最大10%であ ることを明らかにした。

ストックス600指数は前日比0.1%下げて344.27で終了。一時 は0.6%下げた。騰落比率は約1対2。週初から1%下げており、この ままなら週ベースで5週間ぶりの下落となりそうだ。

エルメス・ソースキャップ(ロンドン)で資産運用に携わるアンド ルー・パリー最高経営責任者(CEO)は「欧州企業の業績はまちまち だが、市場参加者は一段と現実的な見方に傾きつつある」と指摘。「夏 場数カ月の相場は変わりやすいので、市場参加者は今、新年にかけての トレンドを見いだそうとしている。寛容な市場ではないから、うまくい っている企業は業績がちょっとでも予想に届かないと、かなり厳しい扱 いを受けることがあり得る」と付け加えた。

この日の西欧市場では18カ国中13カ国で主要株価指数が下落。英 FTSE100指数は0.5%、仏CAC40指数は0.2%それぞれ下げた。独 DAX指数は0.1%の値下がり。

原題:Most European Stocks Fall as Investors Weigh Earnings, Sanctions(抜粋)

◎欧州債:スペイン債が4日続落-ECB量的緩和への楽観が色あせる

欧州債市場ではスペイン国債が4日続落。周辺国の国債を購入する ところまで欧州中央銀行(ECB)が緩和策を拡大させることはない と、メルシュ理事が示唆した。

メルシュ理事は10日、ECBが先週発表した資産担保証券 (ABS)購入計画は「広範に及ぶ量的緩和プログラムと見なされるも のでもないし、そのようなオペラの序曲でもない」と述べた。イタリア はこの日、2017年から30年にかけて満期を迎える国債約70億ユーロの入 札を実施。ギリシャは短期の政府証券保有者に新発3-5年債への交換 を呼び掛けている。

インベステック・アセット・マネジメントの債券部門責任者、ジョ ン・ストップフォード氏(ロンドン在勤)は「量的緩和の公算をめぐる 当初の楽観は色あせた」と指摘。「ECBの複数の政策委員会メンバー から、先週の発表による強い期待に水を差す発言が出ており、短期的に 講じられそうな措置はあまりないのかもしれない」と語った。

ロンドン時間午後4時13分現在、スペイン10年債利回りは前日比5 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.32%。週初から は27bp上げている。同国債(表面利率2.75%、2024年10月償還)価格 はこの日、0.48下げ103.885。利回りは今月8日には過去最低の2.039% を付けていた。

イタリア10年債の利回りは5bp上昇して2.45%。5日には過去最 低の2.253%を付けた。アイルランド10年債利回りは8bp上昇 の1.79%。過去最低は8日に記録した1.594%。

原題:Spanish Bonds Drop on ECB Stimulus Concern; Greece to Swap Debt(抜粋)

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