ドルが対円で6年ぶり高値更新、日米金融政策の違い鮮明

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が6年ぶりのドル高値を更新。日米金融政策の方向性の違いが一段と 鮮明となる中、ドル買い・円売り圧力が強まった。

一時は1ドル=107円39銭と2008年9月22日以来の水準までドル 高・円安が進み、午後3時5分現在は107円27銭付近。主要10通貨に対 するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一 時1050.95と、昨年7月以来の水準まで上昇している。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、米国の量的緩和第3弾(QE3)は10月に終了する見通しで、今 後は利上げ開始の時間軸を出していく方向にあり、政策金利を引き上げ ると言う道筋は変わらないと指摘。一方、日本は緩和の可能性が視野に 入っており、「完全に明暗対比するという形」になっているとし、比較 的大きなドル高・円安のトレンド局面に入っている感があると言う。

日本銀行の黒田東彦総裁は11日、官邸で安倍晋三首相と会談した 後、記者団に対して「仮に目標達成に困難をきたす状況が出てくれば、 躊躇(ちゅうちゅ)なく追加緩和であろうと何であろうと政策調整を行 う用意がある」ことを首相に伝えたことを明らかにした。

また、黒田総裁は同日夜、テレビ東京の番組で、「為替水準につい て言うのは避けたい」としながらも、「円安が経済にマイナスになるこ とはない」との考えをあらためて示した。同総裁はこの日も講演が控え ている。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=138円74銭と、7月9日以来の水 準までユーロ高・円安が進んでいる。

米金利先高観

11日の米国債市場では、10年債利回りが前日比ほぼ変わらず の2.55%。12日のアジア時間の時間外取引では2.56%に上昇している。 三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳谷政 人グループ長は、「米国債利回りがまだ上昇の方向なので、ドル買いの 地合いに変化はない」としている。

米国では来週、16、17日の日程で連邦公開市場委員会(FOMC) が開かれる。柳谷氏は、声明文について、労働市場の見通しに関して 「文言の変更をしてくる」と予想。低金利政策については、 「considerable time(相当な期間)」を外すか否かは市場でも見方が 半々になっているとしている。

米労働省が11日に発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は前週比1万1000件増の31万5000件と、6月28日以来の高水準と なった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値では30 万件が見込まれていた。この日の米国時間には8月の小売売上高や、9 月のミシガン大学消費者マインド指数が発表される。

--取材協力:大塚美佳.

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