債券は続落、米債安や円安進行・株高を警戒-現物に売り圧力との見方

債券相場は続落。前日の米国債相場 の下落に加えて、外国為替市場での円安進行や株式相場の堅調推移を背 景に売り圧力が強まった。長期金利は約2カ月ぶり高水準を付けた。

長期国債先物市場で中心限月の12月物は前日比17銭安の145円48銭 で開始。その後は8銭安まで戻す場面もあったが、円安・株高を受けて 一時は145円35銭と、中心限月の日中取引ベースで6月23日以来の安値 を付けた。終値は23銭安の145円42銭だった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、米金利上昇や円 安と外部環境に変化が生じて債券に売りが出ていると指摘。「来週の米 連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見てからという向きが多く、 このタイミングで積極的に手を出していく感じではない」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の335回債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)高い0.56% で開始。いったん0.555%を付けたが、午後1時すぎに0.57%と、新発 債としては7月4日以来の水準に上昇した。

20年物149回債利回りは1.385%と8月7日以来の高水準を付け た。30年物44回債利回りは一時1.71%と新発債として7月14日以来の水 準まで上昇した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「欧米市場での金 利上昇やドル高・円安進展などの逆風もあり、現物債には売り圧力が強 まっている」と話した。10年や20年債などは売りが優勢で、利回り曲線 はフラット(平たん)化の修正となっていると説明した。

東京株式相場は続伸し、TOPIXは前日比0.3%高の1311.24で終 了した。為替市場で円は一時1ドル=107円04銭と2008年9月以来の水 準まで下落した。一方、10日の米国債相場は5日続落し、10年債利回り は同4bp上昇の2.54%程度に上昇した。

5年債入札

財務省がきょう実施した表面利率0.2%の5年利付国債(120回債) の入札結果によると、最低落札価格は100円10銭と市場予想を1銭上回 った。小さければ好調なテール(最低と平均落札価格との差)はゼロと 前回と同じ。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.69倍と昨年9月以来 の低水準となった。

ドイツ証の山下氏は、5年債入札について、「小じっかりの結果。 新発債なので下値を買いたい向きもいたのだろう」と述べた。

黒田東彦日本銀行総裁は11日昼、安倍晋三首相と首相官邸で会談し た。両者の会談は3日の内閣改造後初めてで、4月15日以来。黒田総裁 は会談後、「昨年4月に導入した量的緩和をしっかり続けていくと説明 した」と記者団に語った。同会談の相場に及ぼす影響は限定的だった。

--取材協力:赤間信行.

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