中国人民銀、与信の下支えに苦戦-貸出金利自由化で手詰まり

中国人民銀行(中央銀行)の周小川 総裁は、一部銀行を対象とした預金準備率の調整や的を絞った流動性供 給によって金利に影響を及ぼそうと取り組んでいるが、昨年の貸出金利 自由化がそれを難しくしている。人民銀の措置にもかかわらず、新規融 資やマネーサプライの伸び鈍化に歯止めがかかっていない。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、15日までに発表され る8月の経済全体のファイナンス規模は1兆1350億元(約19兆7000億 円)が見込まれている(予想中央値)。7月分を合わせた2カ月間の数 字では2011年以来の低水準となる。

国家外為管理局の元幹部で、現在は国家行政学院の研究員を務める 陳炳才氏は「中銀が規制を撤廃することは可能だが、それによって市場 に基づく金利の仕組みができるわけではない」と指摘。新たな指標金利 が市場に影響を及ぼすようになるまで、人民銀は「相対的に無力」とな る可能性があると述べた。

大手9行の最優遇貸出金利を基に算出される「貸出基礎金利」は、 人民銀が昨年10月に導入して以来、5.7%と5.8%の間で推移している。 一方、シャドーバンキング(影の銀行)の指標である温州市のノンバン ク融資金利の平均は、現地の当局によれば9月4日時点で年20.65% と、2カ月前とほとんど変わっていない。

周総裁は3月、預金金利も2年以内に自由化すると表明。7月には 短期金利と中期金利に影響を及ぼす手段を用意していると明らかにし た。総裁のスケジュール通りに進むかどうかは不明だ。

中国共産党は昨年11月の第18期中央委員会第3回総会(3中総会) 後に発表した改革計画で、金利自由化を「加速」させるとしていたが、 国務院の今年7月の声明には「加速」という文言はなく、政策転換は 「秩序ある」形で行うとした。これを受け、改革は従来の予想より遅い ペースになるとの観測が広がった。

原題:PBOC Adrift Without Policy Anchor as Governor Faces Credit Slump(抜粋)

--取材協力:Ailing Tan.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE