TOPIXが2008年来高値、年初騰落プラス-円安動き支援も

東京株式相場は3日続伸。 TOPIXは1月に付けた年初来高値を更新し、2008年7月の水準に戻 した。米国の早期利上げ懸念、さえない国内経済統計などから午前は軟 調だったが、政策期待の根強さから午後に反転。為替の円安推移も好感 された。電力株が上げ、ゴム製品や電機など輸出関連、銀行株も高い。

TOPIXの終値は前日比7.17ポイント(0.6%)高の1306.79。1 月8日の高値1306.23を上抜け、年初来パフォーマンスもプラスに浮上 した。日経平均株価は39円63銭(0.3%)高の1万5788円78銭。

DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポートフ ォリマネジャーは、「市場が予想する米金利引き上げ時期は早まってき たが、それに伴って日米金利差が開いて円安になれば、企業の業績予想 は上方修正されるだろう。米景況感の良さは日本株にプラス」との認識 を示した。

9日の米国株は、利上げ開始時期が予想よりも早くなるとの観測か ら、S&P500種株価指数など主要3指数が下落。米国株のボラティリ ティ(変動性)の指標であるシカゴ・ボラティリティ指数(VIX) は6.6%上昇し、13.50と約1カ月ぶりの高水準となった。フェデラルフ ァンド(FF)金利先物動向によれば、米連邦公開市場委員会 (FOMC)が来年7月までに少なくとも0.5%へと利上げする確率 は61%。8月末時点は52%だった。

また、スコットランドに続き、スペインではカタルーニャ自治州で 独立を求める運動が盛り上がりを見せるほか、朝方発表された日本の機 械受注が市場予想から下振れるなど、国内経済統計の低調もあってきょ うの日本株は反落して開始。ただTOPIX、日経平均とも下げは限定 的で、午後に両指数ともプラス転換した。7月の機械受注は、船舶・電 力を除く民需が前月比3.5%増と、ブルームバーグが集計した事前予 想4.0%増を下回った。6月は8.8%増。

円安、岩田副総裁が講演

ドル・円相場は午後に入り、1ドル=106円40-50銭付近で推移。 朝方の同10銭付近からは円安・ドル高方向に振れた。日本銀行の岩田規 久男副総裁は10日午前、金沢市内で講演し、円安によって実質所得が減 少し、デフレ圧力を生む可能性があると指摘。物価の下落圧力について は、「金融政策がそれにきちんと対応しないと、結局下押し圧力が強く なっていく」と、金融政策の必要性に言及した。

SMBC日興証券株式調査部の西広市部長は、8月の異常気象の影 響もあり、消費税増税後の景気の回復ピッチが後ずれしているとし、 「政府が成長戦略に本腰を入れてくる可能性がある。政策期待の強さか ら、下値も限定される」と話していた。

東証1部33業種は電気・ガス、石油・石炭製品、ゴム製品、銀行、 鉱業、保険、小売、陸運など26業種が上昇。非鉄金属やその他金融、建 設、海運、倉庫・運輸など7業種は安い。電気・ガスでは九州電力が午 後に一段高。原子力規制委員会は10日、川内原子力発電所1、2号機の 設置変更許可の審査書を了承した。新規制基準では初めて。一方、非鉄 では前日の海外ニッケル市況の大幅安を受け、住友金属鉱山が安い。

このほか売買代金上位では楽天や三菱商事、東芝、NTT、村田製 作所、花王、ブリヂストンが上昇。歩行支援機の実用化を受け、今仙電 機製作所は急騰した。熊谷組やコロプラ、アイフル、大成建設、オリッ クス、セイコーエプソン、日本ペイントは安い。東証1部の売買高は19 億4637万株、売買代金は1兆8664億円、値上がり銘柄数は1090、値下が りは581。国内新興市場では、ジャスダック指数が0.5%安の104.69と3 日ぶりに反落、マザーズ指数は2.3%安の929.59と続落した。

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